GCのAuto Sample Injector

GCのAuto Sample Injector

Gas chromatography (GC)で1つのサンプルを分析するのに約30分かかります。いくつものサンプルを分析する場合、30分ごとにGCにサンプルを注入(injection)しなければなりません。そこで、Auto Sample Injectorを使い、自動で注入操作を行なわせます。

Injectorには20本のサンプルをセットできるので、約10時間で20サンプルを分析できます。夕方、サンプルをセットしておけば、翌朝には分析結果が得られます。 IMG_3557.JPG

GCのセプタムの交換

ガスクロマトグラフにシリンジでサンプルを注入する口(Figure 1)にセプタム(septum)があります。セプタムとは隔壁という意味ですが、シリンジの針を抜いたときにサンプルが洩れないように穴が塞がれるようシリコンでできています。ただし、何回も針を抜き刺ししているとサンプルが洩れきてしまうので、定期的に交換します(Figure 2)。

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Figure 1: ガスクロマトグラフのサンプル注入口の蓋をはずしたところ

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Figure 2: 新品のセプタムに交換

細胞数の計数

微生物を培養すると細胞分裂しながら、細胞の数がどんどん増えていき、培養液が濁ってきます。どれくらい増えたかを知る方法のひとつが、培養液の濁りぐあいを測定する方法です。測定には、分光光度計という計測機器を使い、培養液の吸光度を測定します。ただ、この方法では、細胞の数まではわかりません。そこで、培養液を顕微鏡で観察して、細胞の数を直接かぞえて、細胞密度と吸光度との関係を導き出します。この関係を使えば、次回からは吸光度を測定するだけで、細胞密度を推測することができるわけです。 細胞の計数には、ノイバウェル計算盤(Fig. 1)を使います。ガラス製の計算盤には1 mm四方に0.005 mmという極細の線で0.05 mm間隔の格子が刻まれています。この格子が刻まれた部分は深さ0.1 mmだけ周囲より下っています。この計算盤にカバーグラスをかけると、格子との間に0.1 mmの隙間ができるので、そこに培養液を入れます。これを顕微鏡で観察し、1 mm四方の境界の中にある細胞の数をかぞえます。この空間内の液体の体積は、1 mm x 1 mm x 0.1mm = 0.1 mm^{3} になりますから、計測した細胞数をこの体積で割って、1000倍すれば、1 mlあたりの細胞密度が計算されます。

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Figure 1: ノイバウェル計算盤

細胞の数をかぞえるには、顕微鏡で写真を撮影し、画像ファイルにしてから、ImageJという画像解析ソフトを使いました(Fig. 2)。

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Figure 2: ImageJを使って計数

寒天培地でバクテリアを培養

実験に使っている微生物を継代培養するために、プラスチックシャーレに培地を寒天で固めた寒天培地を用意する。

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Figure 1: 寒天培地の作成

冷凍保存してあるバクテリアを白金耳でかき取って、寒天培地に植え付けて培養する。黄色い棒が白金耳で、ここで使ったのは使い捨てのプラスチック製のもの。

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Figure 2: バクテリアを寒天培地に植え付ける

バクテリアなどの微生物をこの寒天培地に1〜2日すると微生物が増えて小さな固まり(コロニー)が見えるようになる。点状のコロニーを白金耳やつま楊枝でかき取って、液体培地に植菌する。

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Figure 3: 寒天培地上にできたコロニー

ピシウムの培養

EPAを産生する糸状菌のピシウム(Pythium)を培養し、脂肪酸分析する。

プレート上で培養したピシウムの菌糸をコルクボーラーで寒天培地ごとくりぬく(Figure 1)。くりぬいた菌糸を液体培地の入ったフラスコに入れ、25℃で静置培養する。

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Figure 1: 菌糸を培地ごと、くりぬく

3日ほど培養すると菌糸が成長してくるので(Figure 2)、これをナイロンメッシュで漉して回収する(Figure 3)。

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Figure 2: 菌糸が十分成長したピシウム

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Figure 3: 菌糸を回収する

回収した菌糸は濾紙で水分を吸い取り(Figure 4)、チューブに入れ(Figure 5)、凍結乾燥する。

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Figure 4: 濾紙で水分を吸い取る

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Figure 5: チューブに入れ、凍結乾燥する

嫌気培養

嫌気培養の実験。嫌気的な条件での脂肪酸の組成を調べる。酸素のある好気的な条件と比較するのが目的。

この培養ビンの中は無酸素状態で、バクテリアを加えるときは注射針を使う。ブチルゴム製の蓋は針を刺して抜いた後も、穴がすぐに塞がって空気が入り込まない。ブチルゴムの蓋は取れないようにアルミ製の止め金でかしめてある。

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Figure 1: 酸素が含まれない嫌気的な培養液にバクテリアを接種し、培養する。

凍結乾燥

微生物の脂肪酸を分析するとき、水分が含まれる細胞そのままではメタノリシスできないので、細胞を凍結乾燥する。 細胞を遠心分離機で集めた後、凍結し、ガラス容器に入れる。 容器内の空気を真空ポンプで抜いて減圧すると、水分が徐々に昇華していく。 そのとき昇華熱が奪われるので、細胞は凍結したまま融けることはない。 2019-07-02 18-07-00-1.JPG

バクテリアの培養

バクテリアを培養する。フラスコに培地を入れ、バクテリアのコロニーを爪楊枝でつついて、爪楊枝ごとフラスコに入れる。

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Figure 1: バクテリアの植菌

振盪機で培地を攪拌しながら30℃で1日ほど培養する。

30℃の恒温器の中で160rpmで旋回振盪

バクテリアが増殖すると培地が濁ってくる。

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Figure 2: バクテリアの増殖によって濁った培養液

バクテリアがどれくらい増えたかは、培養液の濁り具合(濁度)を測定する。濁度は、分光光度計を使い、培養液に600nmの波長の光をあてて、光がどれくらい吸収され弱まるかで計測する。

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Figure 3: 分光光度計で培養液の濁度を測定する

クリーンベンチ

微生物の培養するときは、栄養豊富な培地に微生物を加えて育てる。そのとき、空気中を漂う、あるいは手についているバクテリアやカビなどの、目的の微生物以外の生物が混入しないようにしなければならない。私たちは混入することをコンタミ(英語の contamination のこと)と呼ぶが、微生物や培養細胞を扱うときはコンタミしないようにクリーンベンチあるいは安全キャビネットの中で作業する。クリーンベンチの中の空気は特殊なフィルターを通してあり、また、前面の作業用のガラス扉の内側には常に下向きの風が吹いてエアーカーテンとなっていて外からのコンタミを防いでいる。 そして、作業する前は、手を石鹸で洗った後、消毒液で消毒する。使い捨てのゴム手袋をすることもある。

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Figure 1: クリーンベンチ

ショウジョウバエの餌作り

学生実習で使うショウジョウバエを飼育しているので、月に1、2度、餌を作っている。 餌には、コーングリッツに小麦胚芽、ドライイースト、砂糖が入っていて、寒天で固まるようにしてある。 加熱加圧して滅菌した飼育用の牛乳ビンに種落しで煮溶かした餌を注ぎ、綿を晒でくるんだ綿栓で塞いで、できあがり。 2019-06-21 15-28-26-1.JPG