微生物を培養すると細胞分裂しながら、細胞の数がどんどん増えていき、培養液が濁ってきます。どれくらい増えたかを知る方法のひとつが、培養液の濁りぐあいを測定する方法です。測定には、分光光度計という計測機器を使い、培養液の吸光度を測定します。ただ、この方法では、細胞の数まではわかりません。そこで、培養液を顕微鏡で観察して、細胞の数を直接かぞえて、細胞密度と吸光度との関係を導き出します。この関係を使えば、次回からは吸光度を測定するだけで、細胞密度を推測することができるわけです。 細胞の計数には、ノイバウェル計算盤(Fig. 1)を使います。ガラス製の計算盤には1 mm四方に0.005 mmという極細の線で0.05 mm間隔の格子が刻まれています。この格子が刻まれた部分は深さ0.1 mmだけ周囲より下っています。この計算盤にカバーグラスをかけると、格子との間に0.1 mmの隙間ができるので、そこに培養液を入れます。これを顕微鏡で観察し、1 mm四方の境界の中にある細胞の数をかぞえます。この空間内の液体の体積は、1 mm x 1 mm x 0.1mm = 0.1 mm^{3} になりますから、計測した細胞数をこの体積で割って、1000倍すれば、1 mlあたりの細胞密度が計算されます。
Figure 1: ノイバウェル計算盤
細胞の数をかぞえるには、顕微鏡で写真を撮影し、画像ファイルにしてから、ImageJという画像解析ソフトを使いました(Fig. 2)。
Figure 2: ImageJを使って計数