EZOゼミwithオンライン

こんちは、コEZOゼミの研究をしているD2トミタです。4月からD3かぁ、大学院に入ってもう4年もたったのかというより、まだ4年しか経ってないのかと思います。

今日は自分が世話人してるEZOゼミについて少し(HPリンク)。EZOゼミは2012年頃から北海道大学の生態学進化学関係の研究者が始めた招待型セミナーです。北海道という陸の孤島から生態学盛り上げよーぜという意気込みで始まったらしく、HPには

”北海道では本州ほど研究者間の交流の機会が多くありません。しかし北大を中心に北海道には生態学および関連分野の研究者が揃っています。そこで、北海道の生態学・生物学をより盛り上げるために“EZOゼミ”を企画しました。”

EZOゼミ

EZOゼミの素敵なHP

と書いてあります。初期メンバーは若手教員から成り、2015年あたりからポスドク・博士学生、2018年頃からは博士学生・修士学生、と高齢化する社会をよそに徐々に若返っているようです。世話人にフィールドワーカーが多いため、毎年秋冬メインに開催されます。(EZOゼミについての過去のブログ記事)

もはや言わずもがなですがコロナウイルスの世界的流行に伴い、今年は学会やセミナーがすべて中止またはオンライン化されました。この流れに乗じてEZOゼミも2020年度は全てオンライン開催しました、計6回も!これまでは北海道に住む研究者や北大に用事がある研究者に声をかけて話してもらってましたが、オンライン化に伴い講演者の地理的制約がなくなりました。実際に、京大・東大・総研大・筑波大学・(~海を越えて~)・カリフォルニア大学・ノースカロライナ大学、とすべての演者が道外というおそらく史上初の事態になりました。参加者も対面だと北大メンバー20名くらいですが、オンラインだと最大120人くらい、平均でも50人くらいが集まってくれました。オンライン化によって全国から気軽に参加できるのはいいですね。

1月~3月にかけて6回もセミナー主催するのは世話人が大変に思えますが、実はEZOゼミには世話人が6人おり今年は1人1セミナーを担当したので負担はかからなかったです。講演者も世話人が呼んでくるので、多様なバックグラウンドの研究者による多様な研究の話が聞けます。

基本的なセミナースタイルは他と同じですが、EZOゼミのこだわりとしては、発表中にどんどん質問しちゃって下さい!とプレゼンを遮ってでも質問・議論できることです。対面時代のEZOゼミでは、発表中にみんながどんどん質問してて、それが白熱した議論を生み出し、盛り上がってました。オンラインでもこうしたセミナーができないかと世話人のAOK君が提案してくれました。オンラインセミナーの良くないところが、画面オフ・ミュートの参加者が多くて反応が全く見えないところです。自分も演者したときは、わりと不安になりました。EZOゼミでは、みんながペチャクチャ質問することで講演者も楽しそう?にしているように見えました。対面の時は終了後演者を囲んで飲み会してましたが、オンラインでは懇親会は1~2時間ほどZoomでウェブチャットをしてます。アメリカからのセミナーの時はランチタイムやコーヒータイムに懇親会が開かれます。

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春の訪れ貼るのを感じさせるミツマタ。こんなにきれいな花ですが、元々は観賞用ではなくて、紙幣の原料として植えられたらしい

今年のエゾゼミでは嬉しいことが2つありました。1つ目は、EZOゼミOBが初めて演者として凱旋してきたことです(小泉さん以外(笑))。2014年~2018年頃の世話人内田健太さん(UCLA)がアメリカからEZOゼミで講演してくれました。このブログでもよく出てくるので知ってる人多いかもしれませんが、内田さんは哺乳類の行動生態学を人馴れや都市化に絡めて研究しています。無名時代に世話人してたセミナーで数年後ビッグになって演者として戻ってくるというのは、すげーなと感じます。今後も凱旋セミナーが増えるといいですね(ATMさんとか)。あと、これは1つのサイクルが回ったということを意味しているとも思います。

サイクルと言えば、もう一つの嬉しいこととして、3月23日の照井慧博士のセミナーでEZOゼミは記念すべき第50回を迎えました。しれっと節目でした。9年間で50回という高いペースも、研究室横断型セミナーにも関わらず50回も続いたということは誇らしいですね。先輩たちに感謝しつつ自分も後輩にうまくバトンタッチしてきたいです。先ほど書きましたが、最近は修士学生が世話人を引き受けてくれます、うれしいです。修士で就職する学生もやる気ある人が多いです。セミナー運営を通して得られる企画力やコミュ力、先輩に打診したり司会することによって得られる自信は、社会に出ようが博士に進もうが、絶対人生の糧になります。あと、継承の問題も考えると、博士学生は常にいるわけではないのに対して、修士学生は基本的にラボにいます。中心はドクター・ポスドクだろうけど、マスター学生が運営の一端を担うようになると、今後セミナーの存続可能性が高くなる気がします。

色々な研究室の院生で世話人が構成されているのは、ベッドヘッジング効果によってセミナーの存続可能性を高めるのみならず、僕たち世話人にとってもポジティブです。同じ研究室でドクターが複数人いることは稀です。EZOゼミの世話人を通して、他ラボのドクター学生たちと研究やキャリアについて話すことは、とても刺激的で研究生活を豊かにしてくれます。セミナーの存続可能性については過去にATMさんも考察しており、彼曰く、準備が負担にならないように気を付けることが大事らしいです(引用)。負担になると研究の余裕がなくなった時に途切れてしまうので、緩く準備しつつセミナーは熱く臨むのが長く楽しくセミナーを続けるためのカギなのでしょうね。たしかに世話人に誘われたときに、負担にならないから~という勧誘常套句めいたことを言われましたが、本当によく考えられていたのだな。

あとEZOゼミでは講演者を常時募集中です。当面はオンラインなので北海道に来られる予定がない研究者でも演者できます。興味がある方はHPにのってる連絡先のどれかに連絡くださーい。

以上長文失礼しました。