国際学会@コペンハーゲン(デンマーク)

こんにちは、博士2年の長谷川です。

8月末に1週間ほど国際学会に参加するためにデンマークのコペンハーゲンに行ってきました。

今回参加した国際寄生虫学会議 (International Congress of Parasitology: ICOPA)は、人の寄生虫から魚などの野生動物の寄生虫を扱う、寄生虫学関係でおそらく一番大きな学会で、本大会は3つのセッション(人の寄生虫、魚の寄生虫、その他動物の寄生虫)に分かれていました。ヨーロッパの研究者が中心でしたが、世界中からさまざまな分野の研究者が集まっていました。

もともとオーストラリアで開催予定だったISFPという国際魚類寄生虫シンポジウムに参加予定でしたが、コロナの影響で延期に延期を重ね、国際寄生虫学会議の一部として開催になりました。開催場所も大きく変わってコペンハーゲンに変更です。オーストラリアは一度行ったことがあったので、自分にとってとてもラッキーな変更でした。一応オンライン参加も可能でしたが、迷うことなく現地参加です。

 

羽田からトルコを経由して約10時間でやっとコペンハーゲンに到着です。現地では驚くことに誰もマスクをしていませんでした。入国審査も日本とは違いかなりテキトーでした (審査官「滞在目的は?寄生虫の学会?面白そう!楽しんでね〜」ぐらいの会話)。

 

機内食は全部美味しかったです!

 

コペンハーゲンは噂に聞いた通り、観光地でもなんでもない場所もとても美しく、歩いてるだけで幸せな気分になります。

コペンハーゲン中心街。自転車専用の道路があってびっくり。

 

以前ノルウェーで数回セミナー発表はさせてもらっていましたが、国際学会という大きな場での発表自体は初めてだった上、北大からは現地参加1人のみ(おそらく)、知り合いも1人もいなかったので、どうなるか少し不安でしたが、運良く初日のレセプション(簡易立食パーティー)で、数人の研究者たちと知り合うことができ、楽しい夜を過ごすことができました。

次の日からメインの発表が始まります。基本自分は魚類寄生虫のセッションにずっといましたが、どの発表も面白く刺激的でした。

国内学会とは少し違って各発表後の質問時間はほぼない(しかもほとんどの演者は発表時間をオーバーする、、)のですが、各セッションの後には必ずコーヒーブレイクが設けられていて、そこで気になった演者を捕まえて話す機会がありました。

今回自分の発表よりも実は楽しみにしていたのは、普段論文で引用している研究者たちに会える機会があったことです。話したいと思っていた方々が発表した後のコーヒーブレイクで突撃して、名刺を渡して自己紹介しました。下手なりに、あなたの論文をいつも読んでいて引用しています!と声をかけました。するとどの方も自分の研究についてたくさん質問してくれて、何人かはサンプル提供もできるかもと提案してくれました。

またさらに嬉しかったのは、ノルウェーで以前お会いした研究者の方や論文を読んでくれていた研究者にも会うことができ、色々とディスカションできました。発表以前にかなりの収穫がありました。

ポスター発表会場兼コーヒーブレイク会場はこんな感じ

 

肝心の自分の発表は3日目でした。練習は何度もしていましたが、朝からかなり緊張しました。側から見てもすごく緊張していたのが伝わったようで、隣に座った学生にすごく励ましてもらったり、自分の一つ前の発表をしていた研究者(超大御所!)が肩を叩いてくれたり、優しさに感激しました。

そのおかげで練習どおり、落ち着いて発表できました。質問時間がそんなになかったのですが、ここでもよく論文で名前を見るような研究者の方が質問してくれました(がうまく答えられずのちほどメールで改めて返答しました)。

質疑応答で緊張する私

 

また自分の発表時間が終わったあとのコーヒーブレイクでも何人か声をかけてくれて、サルミンコーラの面白さや今取り組んでいる研究について議論できたことも大きな収穫でした。国際イワナ学会が2023年に日本であるので、それでまた会おうねと約束しました。

国際学会中は他にもたくさん出会いやハプニングがあって(地下鉄で罰金取られる、一人部屋だと思って予約したホテルがまさかのドミトリーだった+同居人に謎の言語で叱られる、スイス在住の日本人の方と仲良くなる)、それはそれで良い思い出になりました。

もちろん空き時間で観光も楽しみました。コペンハーゲンは小さな町なので、2日ほどの空き時間でほとんど全ての有名観光地を巡れました。

かの有名なニューハウン

世界3大がっかりのマーメイド。そもそも期待してなかったので、あんまりがっかりしなかった

 

ちなみに観光ももちろんですが、一番嬉しかったのは釣りです : )

ずっと憧れのヨーロピアンパーチを釣ることができて、感無量でした。

かっこいい、、こんなのが淡水にいるなんて日本では考えられない、、

 

約1週間という短い間でしたが、本当に思ったより色々な方と話すことができ、すごく楽しい時間を過ごすことができました。やっぱり学会は対面に限るなと思います。あんまり聞く気がなかった発表がすごく面白くて、コーヒーブレイクで盛り上がったり、論文で名前を見るような研究者の方々と直接お話しできたり、全く別分野の方と仲良くなれたり(マラリアの研究者の方ともお話しできました)、、そういう予期しない出会いがオンライン学会だとほとんど悲しいです。オンライン参加はお金かからないし、移動もする必要がないので楽ですが、学会参加中のこういう一見するとムダな出会いや時間が、長い目で見れば一番研究に大事だろうとおもいます。

また今回の滞在で、この数年で少しずつ磨いてきた英語力が伸びたと実感できたことも嬉しいポイントでした。ただやっぱり飲み会でのネイティブ同士の早口の会話にはついていけません、、自分が発言するときも遠回しな表現になってしまって、語彙や表現もまだまだ伸ばさないとな〜と思いました(ただ割り切るのも大事かもと思うようになりました。全てについていくのはやはり限界があるので)

 

来月からは特に何も問題がなければ、数ヶ月海外に研究滞在します。不安なこともたくさんですが、とても楽しみです。

 

長谷川