北海道大学 大学院 環境科学院 生物圏科学専攻

フィールドサイエンスの拠点

EESセミナーのお知らせ

日時: 令和元年 12月3日(火) 15:00
場所: 環境科学院 D201

15:00-15:45 越川 滋行(生物圏科学専攻、生態遺伝学コース)
「ハエの翅の模様が作られる仕組み 」

ミズタマショウジョウバエの翅 (撮影 越川滋行)

生き物は様々な模様を持っている。模様がどのように形成されるのか、そして、どのように自然界で機能しているのか、については多くの未解明な点がある。私は共同研究者たちとと共に、翅に模様を持つ小さなハエであるミズタマショウジョウバエを用いた研究を行ってきた。どのような遺伝子の働きによって、またどのような仕組みで模様が作られるのかを理解することを目標としている。これまでに、模様を誘導するシグナルタンパク質の遺伝子と、メラニン合成に関わるタンパク質の遺伝子の働きや発現制御と進化について明らかにしてきた。さらに現在はトランスクリプトーム解析やゲノム編集などの技術を用いて、模様形成に関わる遺伝子ネットワークの全貌を明らかにしようとしている。

15:45-16:30 相場 慎一郎 (生物圏科学専攻、多様性生物学コース)
「ボルネオ熱帯林の多様な姿:標高・土壌条件による変異」

ボルネオ島のキナバル山 (撮影 相場慎一郎)

マレーシア・ブルネイ・インドネシア3か国にまたがるボルネオ島は、世界でもっとも植物多様性が高い場所のひとつである。多様性には1か所での多様性(アルファ多様性)と場所による種の入れ替わりによる多様性(ベータ多様性)という2つの側面があり、ボルネオ島の熱帯雨林はいずれの多様性も極めて高い。ひとくちに熱帯雨林といっても、まず湿地林と非湿地林に分けられ、さらに非湿地林は標高と土壌条件によって異なる森林タイプに分けられ、生育する植物種は大きく異なる。マレーシア領ボルネオ、サバ州には東南アジア最高峰のキナバル山(4095m)があり、高標高域には熱帯山地林という日本の照葉樹林に似た森林が存在する。また、砂質土壌上に成立する熱帯ヒース林や蛇紋岩地の森林など、多様な非湿地林が存在する。山地や特殊土壌上の熱帯雨林ではしばしばマキ科・ナンヨウスギ科の針葉樹が優占し、通常土壌上の熱帯低地林でフタバガキ科広葉樹が優占するのと対照的である。本講演では、このような多様な熱帯雨林の姿について紹介する。

対象:学部生・大学院生 どなたでも聴講自由、途中参加も歓迎です!
連絡先:越川滋行
 

北海道大学 大学院 環境科学院 / 地球環境科学研究院

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