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北海道大学 大学院地球環境科学研究院 環境生物科学部門 生態遺伝学分野 早川研究室 (Hayakawa Lab, Faculty of Environmental Earth Science, Hokkaido University)

野生動物 x 行動 x 生態 x 進化 x ゲノム


野生動物の行動・生態・進化をゲノム解析で研究しています

研究紹介 ResearchNEWS&FAQ


早川研で研究をしている生物を紹介します。

チンパンジー】 【ニホンザル】 【アカオザル】 【ブルーモンキー】 【コモンマーモセット】 【シロミミオポッサム】 【コアラ】 【ハリモグラ】 【ヒグマ】 【ニホンジカ】 【どさんこ】 【クジラ】 【リトルペンギン】 【原生生物

チンパンジー [戻る]


チンパンジー(Pan troglodytes)はヒトに進化的・遺伝的に最も近縁な生物です。赤道周辺の熱帯アフリカに生息しています。 西アフリカから東アフリカまで、チンパンジーは4つの亜種に分けられています。 亜種間や地域間で異なる適応を示す遺伝子が多数見つかっています。 そうした遺伝子と行動の関係を、飼育下と野生下の両方で調べています。

ニホンザル [戻る]


ニホンザル(Macaca fuscata)は日本の固有種です。北は下北半島、南は屋久島まで、多様な環境に生息しています。 あたたかい地域に分布する霊長類の中では珍しく、雪の降る地域にも暮らしているサルになります。 長野県の地獄谷温泉では温泉に入ることでも知られており、そのメカニズムについても調べています。
●研究している人:北山遼、王雪瑩

アカオザル [戻る]


アカオザル(Cercopithecus ascanius)は東アフリカから中央アフリカにかけて、熱帯林に生息しているグエノン類と呼ばれるサルの仲間です。 顔の白いハート型の模様と、赤い尻尾が特徴です。ブルーモンキーなどのほかのグエノン類と種間で混群を作ることがあり、 なぜ混群が成立するのかについて、ゲノムの観点から調べています。
●研究している人:北山遼

ブルーモンキー [戻る]


ブルーモンキー(Cercopithecus mitis)はアカオザルと同様に、東アフリカや中央アフリカの熱帯林に生息しているグエノン類の仲間です。 青みがかった灰色の体色が特徴です。ほかのグエノン類と種間で混群を作ることがあります。 ウガンダのカリンズ森林ではアカオザルと混群を作り、その背景にある分子メカニズムについて調べています。
●研究している人:北山遼

コモンマーモセット [戻る]


コモンマーモセット(Callithrix jacchus)はブラジル北東部に生息する小型のサルです。 かぎ爪と長い切歯を持っており、樹に垂直につかまって、樹皮を削り、樹液を食べるという生態を持っています。 飼育個体やブラジルの野外調査地で、こうした生態のメカニズムについて調べています。

シロミミオポッサム [戻る]


シロミミオポッサム(Didelphis albiventris)はブラジル北東部からアルゼンチン北部にかけての森林に生息する有袋類です。 夜行性で小型の無脊椎動物を食べています。ブラジル北東部の森林でコモンマーモセットと同所的に暮らしていることから、 その生態学的な関係性について調査しています。オポッサムの仲間はアメリカ大陸全土の様々な環境に分布しており、100種以上にまで種分化しています。

コアラ [戻る]


コアラ(Phascolarctos cinereus)はオーストラリア東部のユーカリ林に生息しています。猛毒であるはずのユーカリの葉ばかりを食べており、 特殊な解毒酵素や腸内細菌で消化していると考えられています。また発達した嗅覚や苦味感覚を駆使して 食に適したユーカリの葉を選んでいるようです。どのようにして味覚や腸内細菌が働いているのかを、 ゲノム科学の手法を使って、日本の動物園やオーストラリアのフィールドで調べています。
●研究している人:近藤虎太郎

ハリモグラ [戻る]


ハリモグラ(Tachyglossus aculeatus)はオーストラリア全土とパプア島のあらゆる環境に生息しています。卵を産む単孔類の仲間です。 背側が無数の針で覆われており、天敵から身を守ります。シロアリなどの社会性昆虫を主食としており、 地中のシロアリの巣を探すよう、嗅覚が発達しています。同じ単孔類のカモノハシに比べて、 嗅覚受容体遺伝子の数がはるかに多いことを発見しました。

ヒグマ [戻る]


ヒグマ(Ursus arctos)は日本では最大の陸生動物で、北海道に生息しています。体長2メートルを超します。 針葉樹林に生息し、肉食傾向の強い雑食性の動物です。冬季には巣穴を作り冬眠をしますが、その巨体を飲まず食わずに維持するための特殊な生理・代謝機構が進化しています。 メスは冬眠中に出産もするため、着床遅延という仕組みを備えており、その分子メカニズムについて調べています。
●研究している人:西島明日香

ニホンジカ [戻る]


ニホンジカ(Cervus nippon)は日本列島の全域に生息する反芻性の偶蹄類です。 森林や森林周辺の草原に生息し、人里に現れることも多く、奈良公園のように人々の生活の中でヒトと共生しているシカ群もいます。 葉や草本、またドングリや樹皮など多様な植物を食べます。そうした人々との関わりや、採食植物の変動に対して、 どのようにゲノム進化やマイクロバイオーム適応が起きているかを調べています。
●研究している人:明石涼

どさんこ [戻る]


ウマ(Equus caballus)は奇蹄類に属する家畜動物です。北米が原産と言われ、寒冷な気候に適応し、粗食に耐えます。 世界中に固有の品種がいて、日本にも8つの和種馬(日本在来馬)がいます。北海道和種馬はどさんこ(道産子)と呼ばれています。 北海道大学の静内研究牧場の放牧されているどさんこについて共同研究をさせていただいています。
●研究している人:王雪瑩

クジラ [戻る]


クジラ(鯨類:Cetacea)は約100種います。小さいクジラ類を慣例的にイルカと呼びます。 一部の鯨類は河川域にも進出しています。水圏は音を伝えやすく、聴覚が発達していることが特徴です。 御蔵島の野生個体群や、水族館の飼育個体、また北海道に寄鯨した個体のゲノム、トランスクリプトーム、メタゲノム、メタボロームなど、幅広くオミックス解析を実施し、 鯨類がなぜ、そしてどのようにして、海洋環境に適応できたかを調べています。 寄鯨個体の調査についてはストランディングネットワーク北海道の支援を受けています。
●研究している人:竹内颯、森美紀、宮川侑人

リトルペンギン [戻る]


リトルペンギン(Eudyptula spp.)は一番小さいペンギンです。 近年の遺伝学的な研究によって、ニュージーランド全土に生息する種はEudyptula minor、ニュージーランドのオタゴ半島とオーストラリアに生息する種はEudyptula novaehollandiaeに分けられました。 ペンギンの仲間は19種に分類されますが、日本の水族館ではその多くを見ることができます。日本人に愛されているペンギンの仲間の生態について、種間比較をしています。

原生生物 [戻る]


写真のミドリゾウリムシ(Paramecium bursaria)は原生生物の繊毛虫の1種ですが、細胞内に緑藻のクロレラを共生しています。 クロレラが光合成することで、ミドリゾウリムシは栄養を得ることができます。こうした顕微鏡を覗くことで見られるミクロの世界の不思議な現象について、 ゲノム、トランスクリプトーム、マイクロバイオームなどのオミックス科学の手法でメカニズムを調べています。(写真提供:Masashi Mark Hayakawa)


問い合わせ先(研究室代表者)

〒060-0810
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北海道大学 環境科学院
早川卓志

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