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北海道大学 大学院地球環境科学研究院 環境生物科学部門 生態遺伝学分野 早川研究室 (Hayakawa Lab, Faculty of Environmental Earth Science, Hokkaido University)

野生動物 x 行動 x 生態 x 進化 x ゲノム


野生動物の行動・生態・進化をゲノム解析で研究しています

近藤 虎太郎 Kotaro KondoNEWS&FAQ

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  • 近藤 虎太郎(こんどう こたろう)
  • 北海道大学 大学院環境科学院 生物圏科学専攻 生態遺伝学コース 博士後期課程3年
  • 北海道大学DX博士人材フェローシップ学生
  • 研究手法:集団遺伝学、ゲノム科学
  • Eメール:kondo.kotaro.s0 elms.hokudai.ac.jp
  • 研究1】【研究2】【学会・研究会等での発表】【外部資金】【学歴

1. コアラのゲノム・メタゲノムの差異がユーカリ選好性に与える影響の解明 [戻る]

私たち従属栄養生物は生きるために食べなくてはなりません。しかし環境中に存在する食物がすべて採食に適しているわけではなく、無数に存在する食物候補から自身に適した食物を選択する必要があります。そしてこの過程で生まれる食物選択パターンの種や個体による違いは、その動物や個体をユニークな存在へと特徴づけます。それではどのようにして食物選択に違いが生まれてくるのでしょうか?

私はオーストラリアに生息するコアラを対象に、食の好き嫌いについて研究をしています。コアラはユーカリに食を依存する食のスペシャリストです。一言にユーカリといっても、実はユーカリは600種以上に分類されます。コアラは数多ある食べ物の中からユーカリを選ぶだけではなく、ユーカリの中からも特定の数種類を選んで食べるとっても偏食な生物なのです。そしてこのユーカリの好き嫌いには個体差や地域差があることが知られています。ある個体はもりもりと食べるユーカリを、違う個体は食べるのを拒否することがあるのです。野生下で、コアラが好みのユーカリの森を枯死させてしまうことがある一方、好みのユーカリがないと他のコアラが食べるユーカリも食べず餓死してしまうことがあることも知られています。このようなユーカリの好き嫌いの個体差や地域差は野生下、飼育下でのコアラの管理を難しいものにしています。なぜここまでコアラは個体や地域によって大きく食の好みが異なるのでしょうか?私は遺伝子や腸内細菌を手掛かりに、このようなコアラの変わった採食生態の謎を明らかにすることを目指しています。

2. コアラの口腔外でにおける味覚受容体遺伝子発現 [戻る]

舌の味蕾上で発現し、味物質の受容を担う味覚受容体は口腔外でも発現し、味認識以外にも様々な機能を持つことが知られています。コアラは多様な毒性成分を含むユーカリに食の大部分を依存するという変わった食性をもつ有袋類です。変わった食性をもち、後腸発酵をおこなう有袋類コアラを対象に味覚受容体の口腔外での遺伝子発現を調べることで、食性の進化における味覚受容体遺伝子の役割について理解を深めることができると考えています。

学会・研究会等での発表 [戻る]

  1. Kotaro Kondo, Tadatoshi Ogura, Takashi Hayakawa. “Association of the gut microbiome and eucalypt diet selection in captive koalas”, XXIIIrd International Congress of Genetics. 2023 July 16-21; P-705. Poster. peer-reviewed.

  2. 近藤虎太郎, 小倉匡俊, 早川卓志. コアラのユーカリ食選択と腸内細菌叢の関連解析. 日本生態学会第70回大会 (ESJ70).2023年3月17-21日; P1-052. ポスター. オンライン. 査読なし

  3. 近藤虎太郎, 鈴木美澪, 雨平愛, 荒木千春, 渡邉里衣, 村上浩一, 落合晋作, 小倉匡俊, 早川卓志. コアラのユーカリ採食選好性と腸内細菌叢の関連解析. 第24回SAGAシンポジウム. 2022年11月26-27日; ポスター. 査読なし

  4. 近藤虎太郎, 小倉匡俊, 早川卓志. コアラの化学感覚受容体遺伝子多型とユーカリ食選択との関連解析. 第69回日本生態学会大会. 2022年3月14-19日; P1-361. ポスター. オンライン. 査読なし.

  5. Kotaro Kondo, Takashi Hayakawa. Genetic origin of koalas captive in Japan: toward the investigation of innate diet preference. The 15th International Symposium on Primatology and Wildlife Science. 2021 Mar 1-2; P17. Poster. On-line. Not peer-reviewed.

外部資金の受領歴 [戻る]

  1. 近藤虎太郎, 「コアラのユーカリ選好性の個体差の遺伝的要因を野外生息地で検証する」, 令和5年度採用分 日本学術振興会若手研究者海外挑戦プログラム

学歴 [戻る]

  • 岐阜県立岐阜北高等学校 卒業
  • 北海道大学 水産学部 増殖生命科学科 卒業
2022年3月24日
北海道大学 大学院環境科学院 生物圏科学専攻 生態遺伝学コース 修士課程 修了

修士論文:コアラのユーカリ食適応に関する分子遺伝学
Molecular genetics of the adaptation to eucalypt diet in koala
2022年4月4日~現在
北海道大学 大学院環境科学院 生物圏科学専攻 生態遺伝学コース 博士後期課程

問い合わせ先(研究室代表者)

〒060-0810
北海道札幌市北区北10西5
北海道大学 環境科学院
早川卓志

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