年の暮れの先生のお仕事:ヒグマ学入門レポート

こんにちは、小泉です。

いよいよ2015年も残すところ後2日!2015年は皆さんにとってどんな1年だったでしょうか?

12月のブログは「久々の海外出張」か「2015年度振り返って」でまとめようと思っていたのですが、海外出張は刺激が強すぎてとても短時間ではまとめきれないな、と。1年間の反省も然りですね。今年中に終わらせないといけないことが多いので、今はゆっくり文章を書けません (>_<)

*研究室では各自月1でブログを書くように決めています。なのでブログは月終わり(遅れた人は月初め)に集中するのです(笑)

ということで、今回は今ちょうど終わらせた先生のお仕事に関して軽く紹介。

 

下半期は学部1年生対象の「ヒグマ学入門」の1コマ「ヒグマとサケ:生態・進化・物質循環」を担当しました。ヒグマ学入門とはいかにも北大らしく楽しそうな講義ですね!実際、人気の科目で今年は116人の受講がありました。

私は、ヒグマとサケの関係について、生態、進化、行動、生態系といった視点から講義しています。また、両者の興味深い関係だけでなく、どのようにして現在知られている知識が積み上げられてくるか、といった科学的方法論についても話しています。生き物を取り巻く生態現象はとても複雑なので、常に複数の仮説(可能性)を考えて、それらをひとつひとつ実証していくことの重要性を原著論文や生データを見せながら説明します。

レポート課題も「何でもいいから生き物の不思議な現象を挙げて、なぜそのような現象が起きるのか自分なりに仮説を立てて、どうやったら検証できるか示せ」といったものです。去年の受講生は「お前本当に北大生か???」といった残念なレポートが多かったですが、今年を含め例年は、すぐにでも研究になるんじゃないかという面白い仮説を立ててくる学生もおり、読んでいてなかなか楽しいです。

ただ、今年は特にしっかりとレポートを書いてくれる学生が多くて、100枚以上のレポートを一通り読むだけで数時間かかります。。(^^;) 各レポートについて最低2回は目を通しているので評価とあわせると丸一日近くかかってしまいますね。まぁ、楽しいし教員の本務なので全然構いませんが。

 

以下は講義の感想の中で幾つか心に残ったもの。いずれも文系の学生からでした。

 

「実際に観測しなければ知ることのできない世界、どんなに観測しても知ることのできない世界があると知った」

 

「どんなにささやかな疑問であっても、それをもとに仮説を立て現象について検証することで分かることがある」

 

「2年間、寒くて恐ろしい思いをして魚の観察を続けても何もわからなかったりする中で、何かを発見するのはとても根気がいるものだと感心した」

 

自分で話したことでもあるけど、改めて人からその人の言葉で言われると、「そうだよな~。生態学ってそういう学問だよな~」と過去の苦労を振り返り少ししんみりしてみたり。それと同時に、やっぱり自然と真剣に向き合えるフィールド生態学って素晴らしいな、と思いました。何も分からないかも知れない、何も手に入れられないかも知れない。でも知りたい。。。

年末なので少し感傷的になってみました!笑

 

明日以降は家族・親戚とゆっくり過ごします (^^)v

では皆さん良いお年を~!

 

小泉

 

P. S.  福坊 > 自分のフィールドはそもそも電波が入らないので携帯は使わないんです。電波の入る都会でぬくぬくやってたら。。。と昔だったら愚痴を言ったかも知れませんが、指導教官の立場になると電波が入る場所の方が安全で安心ですね。(トレードマークのダサい携帯を替えてしまってしまって少し残念ですが)