調査漬けの10月が終わりやっとひと段落したので、前編の続きです。
もうしばしお付き合いください。
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大満足のベルゲンでの滞在を終え、一人、ノルウェー北部のBodøへ足を向けました。
空港でJoostさんと無事落ち合い、滞在先のお家に向かっている途中になんとオーロラが!!
これは本当に感動しました…本当に昔からの夢でした…日本語ではしゃいでしまいました(笑われました)
天気が良く、空気が澄んでいる時しか見えないようですが、僕が滞在している間になんと3回も見ることができました。
一生分の運を使い果たしたかもしれません。。
幸せな気持ちで夜を過ごし、次の日の朝はセミナーを予定通り開催しました。
、、、が、予想していたより人が多く(20-30人、研究室メンバーだけかと思いきや、大学公式のweekly seminarだったらしい)、あがり症の僕は緊張してしまい、かみかみの英語でひどい発表をしました…そして、みんな容赦なく本気の英語を使用する質疑応答タイム。答えになってるのか分からん回答を連発しました…猛省です…。
ベルゲンで1対1で色んな人とディスカッションしたので、ちょっと慣れた気でいましたが、やっぱり人前での発表は違いますね…
ただ、「面白い」、「論文になったら教えて!」と声をかけてくれた方もおり、救われた気分でした。。。
また、ちょうど同じタイミングでドイツから来た研究者の方が大学2年生向けの集中講義を開いていたので、受講させてもらいました。
内容はqtlマッピングと非常に難しく、自分はちんぷんかんぷんでしたが、周りはRを普通に使っていてビビりました。。
積極的に質問は出るし、授業後も先生を捕まえてコメントしている学生もちらほら。
こちらの学生の意欲とレベルの高さにはほんと頭が下がります。。
セミナーと講義が終わってからは、Bodøの自然を堪能しました。
トゲウオのサンプリングに行ったり
研究者や院生とグリーンポラックやアトランティックコッド釣ったり、
釣ったコッドをみんなで料理して食べたり、
本当によくしてくれたJoostさんには感謝してもしきれません…もっとまともな(そしてもっと面白い)セミナーをまたいつか開催すると約束してBodøを去りました。
さてさて、密度の非常に濃いノルウェー滞在でしたが、最後に感じたことをいくつか。
1. 研究時間の短さと生産性の高さ
ノルウェーの研究者は大抵夕方4時には帰ります(今日忙しいんだよね、、と言っていた教授も5時には帰りました。我ら日本人は「え?忙しいのにもう帰るのかよ!」と突っ込みたくなりました)
家族がいる方は夜まで残っていると白い目で見られるんだとか…そして、土日は大学には基本来ません。実際土曜に大学に行くと、怖いぐらいシーンとしていました。金曜日はみんな笑顔で「Have a nice weekend!」という爽やかな挨拶と共に帰ります。そしてみんな週末を思い切りエンジョイします(大抵山登りに出かけているようです、というかそれしか娯楽がないのだとか。。)
でも生産性は非常に高いです。年間の論文受理数には驚きました。
確かにノルウェーの研究環境は日本より恵まれています。研究にかけているお金も桁違いです(本当に「桁」が違います。○億というお金が普通に動く)。どの研究室にも秘書やラボテクニシャンがごく当たり前におり、設備や器具の数や質も違います。
ただ、側から見ていると、短い就業時間に集中して取り組んでいるな〜、という印象がありました。
というよりも、週末を全力で楽しむために、平日はきちんと取り組む、といった姿勢のようです。
下の項目でも触れていますが、ボスや研究室メンバーと気軽に相談できる機会が多いことも、研究効率を大幅にアップさせている気がします。
生産性の高さの秘密は、こうした短時間の集中力とメリハリ、そして研究室のチーム体制にあるのかもしれません。
日本人の特性を考えると、こちらのシステムを完全に導入することは難しいですが、見習う点は多いと思います。
2. 気軽にボスや研究室メンバーとディスカッションする機会がある
昼食時に大学をぶらぶらしていると、研究室ごとに昼食を食べている様子が見られました。僕が参加した理論生態グループのランチの会話を聞いていると、ボスが学生に進捗を聞いていたり(でも、重い感じではなく、最近どう?みたいな感じ)、みんな気軽に研究のことを話している様子でした。もちろん研究以外の話題も多く、みんな「対等に」おしゃべりをしている印象。周りの話を聞くと、日本の研究室にはこうした、ボスや研究室メンバーと気軽に話す時間が少ないような気がします。日本はボスが忙しすぎるのかもしれませんが。。
小泉研にはコーヒータイムという非常に良き文化があり、プライベートなことや、研究についても気軽に話します。意外と新しいアイデアが浮かんだり、研究の方向性が決まるのは、一人でpcに向かってる時ではなく、こうした時間です。
またこの時間に研究室メンバー同士の理解も進んでいると思います。「こんな人だったんだ〜」とか「こんなこと考えているんだ」とか。
こんな風に、お互いの性格や考えも知ることができるので、日頃の調査や研究の相談もしやすくなっていると感じています。
ちょっと話はずれてしまいましたが、気兼ねなく話せる雰囲気づくりもノルウェーの生産性の高さに拍車をかけているのでしょう。
3. ある程度データを持っていたらみんなディスカッションしてくれる
もちろん論文をすでに出版しているのがベストですが、ある程度データを持っていて、人に見せる形になっていたらみんな真剣に話を聞いて、ディスカッションしてくれました。たとえ短期間でも、上記の研究環境の違いを目の当たりにするという点で、海外で滞在することは本当にメリットが大きいと感じたので、もっと気軽に海外にチャレンジしても良いなあと思いました。海外で研究するイメージが持てるし、まさしく百聞は一見に如かずという感じです。もちろん、むやみやたらに海外にいくのもどうかと思いますが(得られるものが少ない)、尻込みばかりでは何も始まりません。そもそも海外の研究者は、そんなに日本の学生には期待していないと思うので(笑)、挑戦者のつもりで行けば良いのでは、と思います。ただ、やはり英語の論文を出していないと、「お客さん」扱いされる場合が多くなってしまうので、まずは僕も一本出したいと思います。
という訳で非常に長くなってしまいましたが、そろそろ論文の改訂に移りたいと思います〜
今回以上に有意義な滞在ができるよう、次のチャンスまでにレベルアップしたいものです!
ではまた。
長谷川
ちなみに海外の研究に関するオススメ記事・読み物はこちら⬇︎
・文化の違いが生み出す研究スタイルの違い: 短時間で高生産、かつリラックスしたフィンランドの研究環境
(我が指導教官が書かれた、個人的に感動した読み物です(笑)。連載「えころじすと@世界」の他の記事も非常にオススメです。)
・ちょうど今オーストラリアに滞在してらっしゃる先輩、渥美さんが書かれたブログ記事
・9月から海外学振でアメリカに滞在中の内田さんが書かれたブログ記事