ノルウェー滞在・前編

お久しぶりです。

またまたM1の長谷川です。
文章を書くのが元々好きなので、ブログ書くのが捗ってしまいます(この調子で論文も捗れば良いのですが。。)

今回はタイトル通りノルウェーのベルゲンに約2週間行ってきました!

北欧は昔から憧れでした…まさか行ける日が来るなんて…

北欧は昔から憧れでした…まさか行ける日が来るなんて…

そもそもなぜベルゲンなのか。我が母校、水産学部の生理学系の研究室ではベルゲン大学と共同研究を既に始めており、他分野でも共同研究ができるように、コネクションを強め(広め)ようという話があったようです。そのお話が運良く僕にきたというわけです。有り難や…

実際他国で共同研究できる方は兼ねてから探していました。
僕の研究対象、寄生性カイアシ類のSalmincola属は北半球に広く分布しています。前の記事でもちょっと触れましたが、どの種も強い宿主特異性があり(寄生できる宿主が種ごとにある程度決まっている)、共進化の系として非常に興味深いです。どのように彼らが進化してきたのか知るためには、DNAの情報が必須。そのためまずは世界中からサンプルを集める必要があります。そこで、まずは手始めにノルウェーのサンプル集めからしようと言うわけです
実際ベルゲン大学は寄生虫、特にSalmincolaと近い仲間であるサケジラミに力を入れています。というのも、ノルウェーはアトランティックサーモンの一大養殖地。そこで発生する寄生性カイアシ類であるサケジラミはサーモンに悪影響を与えるので、昔から大問題になっています。ベルゲン大学にはSLRC (Sea Lice Research Center) という機関があるぐらい研究に力を入れています。ベルゲン大学と寄生虫関係のコネクションを作ることは、双方にかなり利点がありそうです。

というわけで、滞在の目的としては…

1 寄生虫のサンプルを提供してくれそうな研究者を探す

そして

2 あわよくば、今やっている研究についてディスカッションさせてもらう

自分の研究に対してアドバイスしてもらうというのはもちろんですが、顔を覚えてもらえたら良いなあという感じで(もしかすると就職に繋がるかもしれない。。(笑))

さらに、

3 自分の研究について、セミナーで発表させてもらう

という感じで滞在準備をしていました。

セミナーは、小泉さんの友達の方がノルウェー北部のBodø (ボーデと読むらしい) にあるノード大学で研究室を持っていると言うことで、そこでセミナーを開かせてくれることになりました。国内学会の経験も少なく、ましてや口頭発表もしたことないのに、いきなり英語で口頭発表と言うとんでもないことになりました。

さて、渡航先のベルゲン大学の研究室には、あらかじめ寄生虫研究者に声をかけてもらうよう頼んでいましたが、音沙汰なく、(というのも渡航直前の8月は休暇中、ノルウェー人の多くは休暇中はメールをほとんど見ない)スケジュールほぼ未定のままベルゲン入りしました(笑)

明日も見えない状態でベルゲン入りしてしまいましたが、まずはとにかく誰かに会おう!、ということで生理学研究室の先生に寄生虫研究者を紹介してほしいとお願い(懇願)しました。すると、なんとか一人とアポイントメントを取ってくださいました。その方はかなり忙しそうだったのですが、時間を割いてくださった上に、なんとプレゼンもさせてもらえました(セミナーの良い練習になりました)。
さらに、すでにサルミンコーラがいる場所は知ってるから、今後提供してくれるという有難いお言葉が…出だしから最高の結果です。しかもプレゼンの後、研究室にお邪魔させてもらって、色々と研究のお話をさせてもらいました。こちらの話もとても面白かったです。進展がとても気になる。。

文章ばっかりなので、適当な写真を入れておく(笑)。これは学食のランチ。ピザ以外の料理名は分からないけど、全部美味しかったです。

文章ばっかりなので、適当な写真を入れておく(笑)。これは学食のランチ。ピザ以外の料理名は分からないけど、全部美味しかったです。

さらに幸運が続きます。渡航前は全く知らなかったのですが、ベルゲン大学の理論生態グループには日本人のポスドクの方がおり、その方からグループのランチの時間に参加したらどうか、という有難いアドバイスをもらいました。

早速次の日から参加。高速で飛び交う英語(時々ノルウェー語)のおしゃべりについていくのは大変でしたが、色んな人に声をかけて、アピールしていきました。
(あとで調べてみたら、かるーい感じでおしゃべりしていた年配の研究者が世界的な権威で焦る(^^;;)
最終的には寄生虫を研究しているPhDの学生や進化生態学の一流の研究者数人とディスカッションすることができました。突然現れた未熟なM1に時間を割いてくれるなんて、本当にこっちの人は心が広いです。
ヘロヘロの解析、貧弱なデータでしたが、みんな面白がってくれました、、もちろんお世辞だと思いますが、これは結構嬉しかったです。

また数人の方は「この人にサンプル提供してもらえるか聞いてみるね!」「今後も連絡取り合いましょう!」という、願っても無いありがたいお言葉を頂きました。。

本当に、予想を遥かに上回る、充実した滞在になりました。。

ベルゲン滞在中は研究だけでなく、もちろん観光なども楽しみました。

滞在先の目の前が海だったので、釣りはかなり楽しめました。こちらはアトランティックコッド。

滞在先の目の前が海だったので、釣りはかなり楽しめました。こちらはアトランティックコッド。

生理学研究室のpdの方に湖に連れて行ってもらいました。小さなブラウントラウトだけという微妙な結果でしたが、北欧の湖で釣りをしただけで大満足!

生理学研究室のpdの方に湖に連れて行ってもらいました。小さなブラウントラウトだけという微妙な結果でしたが、北欧の湖で釣りをしただけで大満足!

こちらはフィッシュマーケット。魚好きには天国

こちらはフィッシュマーケット。魚好きには天国

もっと写真はあるのですが、あんまり観光の写真ばっかりあげてるともっと研究しろ、と言われそうなので、この辺で…
(そして、プライベートも魚ばっかりであることに気づいてしまう)

また、ベルゲンでは水産科学院の学生二人とウィークリーマンション(ホテルより安い!)で共同生活していたのですが、気の合う二人だったので、ストレスなく毎日楽しく生活できました(少なくとも僕は(笑))。

初めての研究目的での海外渡航でしたが、予想を遥か上回る出来での滞在になりました。本当に楽しかった!の一言に尽きます。
さて、長くなったので、この辺で後編に続きます。。

長谷川