スマトラ島調査旅行記

どうも。皆さん、こんにちは。新M2の三枝弘典です。

スマトラのアンダラス大学との共同研究で、コツメカワウソ(以下、コツメさん)の調査に行った報告をします。その前に自己紹介がてらにカワウソとの思い出を。2-3歳の時に動物図鑑で見つけたカワウソに一目惚れ。以来、動物園や水族館にカワウソを見たり、グッズ集めたり、研究したいなと感じて過ごしてました。そして、遂に、カワウソの神が微笑んでくれたのです!

まだまだ札幌が雪に覆われていた2月13日、我々はコツメさんを求めてインドネシアはスマトラ島へ旅立ったのでありました。ギラギラと照りつける太陽、蒸し暑い空気、水牛の角を模した伝統的な形の屋根がパダンのミナンカバウ国際空港で出迎えてくれました。

写真1水門にかかる水牛の角を模した伝統的な形の屋根。カッコイイ。

ところで「カワウソの生息地」って、どんな場所を連想しますか?深山幽谷、人の入らない清流の動物で、日本では環境破壊のため絶滅したと思われる方も多いのではないでしょうか。しかし調査地周辺のカワウソたち、特にコツメさんは水田や用水路など人の生活圏近くで暮らしており、魚やタニシ、カニなどを食べているようです。

なので畦道を歩いて、タメ糞場(カワウソは同じ場所に何回も糞をする性質があります。)を見つけて、自動撮影カメラを設置して・・・という流れで調査は進んでいきました。今回は予備調査の面が強いですが、将来的には自動撮影カメラや糞から採集したDNAを使ってコツメさんの行動圏などを調べていく予定です。たった数日しかセットしていないのに、カメラには可愛いコツメさんの姿が!同じ場所に立っていたと思うと感慨深いですね。そして、動画はずっと見てられます。笑。

写真2

タニシや魚を食べたコツメさんの糞。新鮮な糞は特徴的なニオイが。

インドネシアは温暖な気候のために水田では1年中、イネの栽培が行われています。また、それぞれの田んぼによってイネの成長段階が違うので景観は日本のそれと少し異なります。日本人にもなじみの深い田園風景なのに、ちょっと違和感があって、面白い。畦にココナッツ生えてるし。

写真3

コツメさんが暮らす水田の風景。どこか懐かしいような、異国情緒溢れるような。

 

ここで閑話休題に現地の暮らしについて。スマトラは敬虔なムスリムの方が多いです。なので、日本からのお土産選びも気をつけなければなりません。こちらの善意で相手を傷つけるような事態は避けたいものです。また至る所にモスクがあり、決まった時間になるとお祈りのメロディーが聞こえてきます。朝5時くらいにも流れるので、初めて聞いた時、その音で目が覚めました!

食事は鶏と牛、魚を使ったスパイシーな料理が多いです。辛いけど、ココナッツミルクのためかコクのあるカレーは美味です。特に牛肉を使ったスマトラ島オリジナルのカレー、”ランダン”とジャックフルーツ(果物のくせに、ツナか鶏肉みたいな食感でビックリ!)のカレーは最高でした。
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ランダン。店ごとの味があります。また食べたい。

 

話を元に戻しましょう。調査メンバーも豪華で、日本チームはうちの大将のほか、金沢大の西川さん、滋賀大の田中さん、ラボOBで高知大の富田さん。アンダラス大学チームはアードリアンさん、ウィルソンさん、デヴィさんなど、皆さん一流の研究者ばかり。ぺーぺーの自分が居て良いのかなと正直、焦りました。レイファンたちアンダラス大学の学生も元気で、研究に熱心かつ楽しんでいて、頼もしかったです。そして皆さん、とても親切にしてくださり感謝しかないです。英語も、生態学も、分析も、その他も、もっと学ばなければ。そしてコツメさんのことや現地のことをもっと知りたいです。

写真5

集合写真。皆さん、ありがとうございました!

初めてのことも多くて戸惑ったり、不安になったりすることも少なくなかったです。言葉が通じないときもあったし。しかし、多くの人や生き物に出会い、世界が少し身近になった調査旅行でした。

コツメさんをはじめ、調査に関わった全ての方に、Terima kasih!コツメ