またまた渥美君の論文がアクセプト!

渥美君(D2)が小泉研に来てから3本目(通算5本目)の論文です!

新しい研究を始めて1年ちょいで3本アクセプトってほんとすごいですよね!笑

 

Atsumi K, Nomoto K, Machida Y, Ichimura M, Koizumi I (2018) No reduction of hatching rates among F1 hybrids of naturally hybridizing three Far Eastern daces, genus Tribolodon (Cypriniformes, Cyprinidae)Ichthyological Research, 65, 165-167

 

1000万年以上前に分化したとされるウグイ属3種を人工的に受精させたところ、ほぼ全ての組み合わせで純系と変わらないほどの高い孵化率を示したという論文です。ウグイ属3種は野外において、しばしば高い頻度で交雑します。それにも関わらず種が交わることなく、ずっと純系を保ち続けています。今回の研究から、初期の遺伝的な不和合性によって純系が保たれているのではなく、生まれてきた雑種個体が何らかの生態学的要因(生存率が低い、繁殖率が低い、など)により適応度が低いため、各種が維持されている、と推察されます。シンプルな実験ですが繁殖隔離機構を調べる必要なファーストステップです。

 

ちなみに、この研究は標津サーモン科学館や美幌博物館のご協力を頂きました。ありがとうございました!

 

ウグイ交配実験1

まず投網で捕獲します。美幌博物館の町田さん、投網めっちゃ上手です。交雑っぽい個体もいました。

ウグイ交配実験2

次に麻酔をかけて卵と精子を絞ります。ウグイの人工授精は初めてでしたが結構簡単でした。

ウグイ交配実験3

卵を小分けにして、それぞれに同種、別種の複数個体の精子をかけます。卵に水がつくと上手くいかないのでそこは注意が必要です。

ウグイ交配実験4

水につけると受精が始まります。やってる時は、こんなんで上手くいくのかな~、と心配でした。 が、ふたを開けてみると同種でも別種でも80-90%の高い孵化率でした!

ウグイ交配実験5

標津サーモン科学館の一角を借りて孵化させました。