Kobayashi F, Toyama M. & Koizumi I. (2014) Potential resource competition between an invasive mammal and native birds: overlap in tree cavity preferences of feral raccoons and Ural owls. Biological Invasions, 16, 1453-1464
外来種は世界中の至るところに侵入しており、捕食や競争などを介して在来生態系に影響を与えています。しかし、これまでの外来種研究では、生態の類似した近縁種間での競争関係や小型生物の捕食に関するものがほとんどでした。本研究では、一見、生態の異なる中型哺乳類と猛禽類の資源を巡る競争に着目しました。特に、木登りが上手で営巣場やねぐらとして樹洞を利用する特定外来生物のアライグマと在来種エゾフクロウについて調べました。札幌近郊の野幌森林公園において341個の樹洞を調査したところ、アライグマは37個、フクロウは34個の樹洞を利用しており、両種の選好性が大きく重複していることが明らかとなりました。これは両種が潜在的な競争相手になることを示唆しています。さらに、アライグマは非常に多様なタイプの樹洞を利用することが明らかになり、フクロウをはじめ多くの在来鳥類の競合する可能性が懸念されました。本研究は、これまで見過ごされてきた外来種の影響を指摘しており、在来生態系の保護管理に役立つと考えられます。
本研究は北海道テレビ(HTB)をはじめ様々なメディアで取り上げて頂きました。
より詳細な説明は以下のサイトに記載しています。