正宗公のお膝元で生態学会

D2内田です(はっ、自分も2年目なのか!?)。

札幌近郊では、道路の雪がほとんど解け、残る雪は石狩平野を見下ろす手稲の山々の頂上付近となりました。キャンパスでは、カラスやカラ類などの鳥類が忙しそうです。

 

さて、遅くなりましたが3/20-24に仙台で行われた日本生態学会第63回大会に参加してきました。今年の目標は、近い分野の人たちとの交流でした。特に、『都市』『市民科学』『行動』といったキーワードの集会に参加し発表を聞き飲み会に参加してきました。

仙台生態学会

あえて自分の興味テーマに近い分野に参加したことで、自身の研究や活動へのヒントをたくさんいただき、今年もたくさんの繋がりを作ることができました。自分のことを放しても面白くないので、興味深かった集会を少し紹介します。

 

3/21『日本型の市民科学の実現』

ここでは、いかにして市民の方々の活動を科学に繋げるかをテーマにしていました。中でも、データインフラの整備、市民と研究者の目標の相違点などのトピックが面白かったです。例えば、コーネル大の『eBird』や東京のチョウモニタいるング『いきモニ』、『お庭の生き物調査』などが紹介されました。こうしたデーベースの作成においては、情報学分野と連携が大きなカギとなるようです。生態学者が取れないような、時には地道で時には大規模なデータ収集の実現に向け着実に基盤ができ始めているようですね。

また、研究者と市民の人に『都市域の緑化』の意義を比較した結果が興味深かったです。両者に対して意義Top3を出してもらった場合、その意義が研究者と市民の人であまり異なりませんでした。次に、重要な意義No1を挙げてもらった結果、研究者では『環境教育、生き物』のキーワードが上位に来る一方で、市民の人は『子供、地域コミュニティー』のキーワードが上位にきて『環境教育、生き物』は殆ど回答されませんでした。こうした価値観の相違は、今後双方の歩み寄りにおいて重要な点でしょう。本シンポで学んだことは、今すぎに実行できることではないですが、少しでも帯広や円山での活動に活かしたいです。そしていつか、おかん(母親)が取ってきたデータで論文をかける日が来たらいいな。

 

 

3/21『都市生物多様性』、3/24『都市住民と生物多様性』

かなり端折りますが、両集会では『都市域の外来種』の扱いについて熱い議論が繰り広げられました。例えば、東京大手町に造られた『大手町の森』では、在来植物を中心に植えて保全する一方で、外来種が確認された場合には過剰なまで排除します。

こうした取り組みに対して、その行為自体が自然でないという意見がありました。都市域ではある程度外来種も許容して、独自の生態系として認識してもいいのではと。とても素晴らしい問いかけだと思います。実際、自分も『人為環境を否定することに未来はない』と考えている口ですから。集会でのやり取りを書くと疲れるので、知りたい人は直接聞いてくださいww

 

メモしたノートを見て振り返っていたら結構疲れましたのでこのくらいで。

その他にも、色々と楽しく実りの多い学会で楽しむことができました。

 

正宗公

正宗公

来年は、集会でもやりたいなと考えています。

 

さあ、新年度が始まりました。また、楽しい研究室生活が始まります。

 

内田

 

P.S.私事ですが、本仙台大会において英語口頭発表賞(Excellent Award)を頂きました。応援をしてくれている皆様、研究活動を支えてくれている皆様ありがとうございます。これを励みに一層精進してまいります。