有名温泉での調査

PDの池田です。

今日明日と道内有数の温泉地である洞爺湖で調査をしています。

温泉に浸かりつつ、旅館でゆったりとできれば最高なのですが、現実は洞爺湖の真ん中にある無人島(中島)でシカの調査をしています。。。

洞爺湖中島

洞爺湖中島

この中島にはシカが1956年から生息しており、私は5年前の2010年からシカの個体数推定をメインに様々なシカの研究に携わっています。

シカの個体数推定はマンパワーを駆使した方法やヘリコプターを使った方法、糞から推定する方法など色々ありますが、私は自動撮影カメラというハイテクな機械を使って、個体数を推定しています。

自動撮影カメラ

自動撮影カメラ

自動撮影カメラは、原理的には周辺の気温と動物などの体温との差を検知し、自動的にシャッターが切られて、静止画や動画を記録するシステムです。

海外ではトラやヒョウなどの希少種かつ滅多に観察することのできない種で利用がスタートし、今では小型哺乳類から大型哺乳類にまで利用されています。

個体数を推定するだけではなく、どのような1日の活動性を調べたり、鳥類の巣を捕食している種を確認したり、どのような生息地を利用しているか調べたり、調査地にどのような種が生息しているかを確認する研究などに利用されています。

今ではネット対応しているカメラも販売され、自動的に記録されたら、自動的にメールが届くシステムも導入されています。

このシステムを考えると「盗撮か!?」と考える人もいるかと思いますが、実は監視システムとして防犯対策にも利用されています。

この応用方法として、シカを罠で捕獲する際に、このようなカメラを導入し、監視している研究者も多くいます。

私の場合は、そこまでハイテクに対応できないので、このようなカメラを獣道や林道などに設置し、いたってシンプルに動物(主にシカ)を記録しています。

ちょっと分かりづらいですが、獣道沿いの木に取り付けたカメラ

ちょっと分かりづらいですが、獣道沿いの木に取り付けたカメラ

中島ではシカ以外に生息している哺乳類はリスしかおらず、回収したSDカードからシカの写真をひたすらデータにする作業を繰り返します。

他の地域の場合は、いろいろな種が撮影されるので、それを見て、ビックリするようなこともありますが、気分を上げながら楽しみながら作業しています。

なかなか大きいヒグマ

なかなか大きいヒグマ

哺乳類ではこういう手法を使って研究をすることがあるんだというのを少しでも知ってもらえれば幸いです・・・