最近の若者は。。。

めっちゃ優秀!!!

 

・・・な人が増えたと思います(平均値はわかりませんが)。

 

 

小泉です。

4−5年ほど前から周りにやたら優秀な大学院生が増えています。

 

最初、渥美君が当研究室にきてくれた時に「おぉ、初めて明らかに自分よりスペック(CPU)が高い学生を指導することになったな」と思いました(笑)

その後、近くの研究室のAOK君、KTO君、OKB君、そしてうちに修士で入ってきたながけん。それぞれタイプは違うけどみんな自分より遥かに上の何かを持っている。

 

なんでこんなにスゴイのが固まってるんだろう?キセキの年代なのか?って思っていましたが、その後もコンスタントに優秀な学生が現れます。。。

 

なんなんだ?

 

しばらくして理由が分かりました。

 

おそらく偶然ではなく必然なのです。

 

インターネット、情報の力です。

 

昔は高校・学部時代に研究がしたくても、研究者になりたくても、どうすればいいか分からない。
身近なツテをたどっていくか、勇気を出して著名な先生を突撃訪問するか。

また、大学院に入れば研究のスキル、ノウハウ、戦略を先生や先輩から教えてもらえるかも知れないが、他にももっといい方法があるかも知れない。でもそんなもの知るすべもない(と言いつつ、昔からそういった本はあったので、読んでましたけどね)。

実際、昔は学振なんかはほぼ決まった研究室が毎年とる、って感じだったそうです。
でも今ではインターネットで検索すると「学振の書き方」といった情報が溢れていて、学振に採用される研究室も大学も以前よりバラけてるんじゃないかと思います(検証していませんが)。

私が博士号を取り立てくらいの時に「研究者になれるかなれないかは本人の能力よりも、どの研究室に行くかで決まる」って言葉を聞いて衝撃を受けました。「確かに。。。」って。

それがイヤで、能力ややる気があっても状況に恵まれない後輩達を何とか助けようとして色んなアドバイスをしたのを覚えています(自分の研究室の後輩って意味ではなくて学会などで会った年下研究者など、幅広い意味での後輩)。

それを考えると、今は誰にでも平等にチャンスがある恵まれた時代だな、と思います。

一方で、めちゃくちゃ熾烈な競争社会になったな、とも思います。

 

自分が研究者として残れた理由のひとつは、井の中の蛙で何も知らなかったからだと思います。スゴイ人たちがこんなに沢山いるのを知らなくて、何とかなると気軽に考えていました。そのおかげで、マイペースで自由にのびのびと研究をしてこれたと思います。そして、そういった一見、無駄、寄り道に見えることが、自分の研究、そして人間としての幅を広げてくれたんだと思います。

今、研究者を目指そうと思ったら、大学院に入った瞬間から業績を求められます。そして、業績を出すことを最優先してしまうと、成果が出やすいテーマに走ってしまって、じっくりと研究や将来像、自分が本当にやりたいことについて考える回路が弱ってしまいます。大学院、ポスドク時代は一番、自分の頭で考えて、一番、じっくりと論文を読まないといけない時期なのに、その大事な過程がおそろかになってしまいます(*)。

本当に色んなことが求められて大変だな、と思います。

私が今の時代に大学院生だったら、おそらく研究者を目指していなかった(研究者になれなかった)んじゃないかと思います。

 

(*)学生時代からの過度な業績主義とその弊害について疑問を感じている先生方も多そうです。今年の学振フォーマットの大幅変更をみてそう感じました。従来と比べて、業績よりも本人の能力、本人が考えたアイデア、さらに本人の思想や理念みたいなものを問うような形式になっています。私はこの改定の方向性に賛同です。

 

今の情報社会は大変な側面も多いけど、何かやりたいことがある人にとっては非常に都合が良いはずです。

それこそ、高校生でも学会に参加できるし、論文すら書けてしまう。小さい頃から好きをどんどん伸ばすことができるんです。

子どもを持つようになってNHK教育テレビをよくつけているのですが(逆にそれ以外見なくなった)「沼にハマった」という番組があります。中学か高校生くらいでスゴイ趣味や特技を持ってて、極めてる子ども達を紹介するやつ。みんなほんと好きそうだし、スゴイな〜、と思います。きっと番組プロデューサーとかがやってるんでしょうけど、身なりなどもちゃんとして、オタク感を出させずに、あくまで爽やかに楽しそうにマニアックな若者たちを紹介している。

 

ということで、冒頭の結論としては、好奇心満点の生き物好きの子どもが自分でいろいろ調べたりして、知らずしらのうちに専門知識や推論能力、プレゼン力などを高めているのでしょうね。そういったネット世代の優秀な若者たちが大学院に入ってくるようになったんだと思います。

なので、これからもコンスタントに優秀で面白い若者たちが生態学の門を叩いてくるのでしょうね (^^)

その一方で、情報に乗り遅れたり、利用できなかったりすると、逆に大変だろうな、とも思います。息苦しい世の中ですもんね。私でもたまに思いますから。

 

自分が学生だった20年前と比べて、インターネットのおかげで(せいで)世の中はだいぶ変わったと思います。ということは、今後20年でまた大きく変わる可能性も十分にあるということです。

私も時代の流れに取り残されずに、日々戦っていきたいと思います(何と???)。

 

小泉

 

P.S. 前のこんちゃんの記事笑ったな〜。文章も読ませるよな〜。面白い!
これも若者のネット文化の恩恵を感じます。ほんと世の中頭のいい人(今回はユーモアのセンスのある人)多いよな〜