おひさしぶりです。
今回はすこし趣向のことなるセミナーに参加したので、ブログに載せたいと思います。
昨今は、国の方針もあり自然エネルギーの導入が活発になっています。北海道でも、大型の風力発電や太陽光発電の施設がどんどん建設されています。ただ、これらの発電方法は電力の安定供給やバードストライクに代表される環境負荷など様々な問題が付きまとっています。
そこで近年注目されているのが、小水力発電です。小水力発電は、用水路や小河川に取り付け可能な水力発電施設で、水車などの簡易な設備などで運用ができるシステムです。水力は風力や太陽光より安定的に電力を供給でき地熱などより施設が簡易なため、現在注目を浴びている発電システムのひとつです。今回のセミナーは、企業や研究機関だけでなく、個人事業主や農業経営者の方まで参加しており、注目の高さが目立ちました。
自分は、小水力発電は梅雨や台風の少ない北海道に適した発電方法だと感じていましたが、一方で、今後こうした河川工作物が河川内にできたときの生物への影響がきになり参加しました。実際に今回のセミナーでも我が研究室のフィールドでもある、富良野に小水力発電を導入する取組みが進められているそうです。この発電施設を建設するにあたって、地域の高校や市民と協力して、流量や河川性物のアセスメントを行なっているそうです。
今回のセミナーから、小水力発電は河川生態学の知識が活用できる新たな分野だと感じました。システムにも拠りますが、ある程度の発電量を確保するには落差が必要です。そこで河川から水をひいて、必要な落差が得られる地点まで、パイプなどを伝わせて下流に排水します。つまり、取水口と排水口の間の水量は減少してしまいます。河川法などで、河川内に必要な流量を確保し取水することが定められていますが、環境アセスメントは必須の問題となると思います。小水力発電の増加と共に、河川生態系との軋轢は今後確実に問題となると思います。河川生態学者の知識が問われる問題だと思うので、これからも関心を持って行きたい話題ですね!
ざっく