お久しぶりです。いつのまにかD3になってしまいました、古澤です。
突然ですが、8/14-20の間、国際学会に参加するためにドイツへ行っていました。
今回はそのことについて書きたいと思います。少々長いですが興味のある方はお付き合いください!
今回は、動物の行動を研究している人たちが集まる「Behaviour2023」という学会に参加してきました。会場はドイツのビーレフェルトでした。
この地域は特徴がないことで有名なようで、あまりにパっとしなすぎて「ビーレフェルトという都市は存在しない、ビーレフェルトの存在を信じさせようとする巨大な陰謀がある」という都市伝説すらあるようです。詳しくはこちら、結構面白かったです。
行くきっかけ
実は、これまで国際学会に全く興味がありませんでした。海外の魚もそんなに知らないし、お金もかかるし、それだったら日本各地を巡って好きな魚を観たいと思っていました。
しかし、昨年の夏、転機が訪れます。外国人特別研究員?としてリアがフランスから小泉研にやってきました。しかも、彼女は苫小牧研究林にしばらく滞在しながら実験をすることになりました(僕は普段札幌ではなく苫小牧にいるので、生活圏内にやってきたということです)。
一緒に調査に行ったり、ご飯を食べたりする中で、彼女は海外の研究事情や文化、ヤツメウナギ研究の面白さなど様々なことを教えてくれました。今まで能動的に海外事情を取り入れてこなかった自分からすれば、彼女の話す内容はとても新鮮でした。
この頃から、国際学会参加してみたい、同じ分野の研究者と話してみたい、という気持ちが芽生えました。
そして、今回のBehaviour2023へとつながるわけです。
初めての国際学会(in海外)
実は、初めての国際学会はうえむがレポートしてくれたCharr symposium(←うえむのブログ)でした。しかし、それは日本開催だったので、海外での国際学会はこれが初めてになります!
準備はめちゃめちゃ大変でした。。手伝ってくれた小泉研のみなさま、ご心配かけてすみません。。誠に感謝いたします。。!!特にチケットをとるのは5時間もかかりました。。今ちゃんありがとう。。。
そして、ど久しぶりの国際線に乗り、改札の無いドイツ鉄道で挙動不審になり、なんとかリアと合流し、ついに学会会場に到着です!
学会期間中である月曜日から土曜日までは基本的に9-18時くらいまで口頭発表があり、火曜と木曜の18-20時にポスター発表というスケジュールでした。
口頭発表は認知やコミュニケーション、性淘汰、協力行動などなど多くのセッションがあり、どれも刺激的でした。。。ここまで自分にとって魅力的な学会があるのか!と感じました。
特に興味深かったのは、睡眠の生態学に焦点を当てたシンポジウムです(僕の研究とドンピシャです)。論文でよく見る名前の人が実際に目の前にいるというのはとても感動でした。また、これまでほとんど独学で調べてきたため、自分の研究を不安に思うことも多々ありました。しかし、このシンポジウムでほかの研究者の見解を聞いて、これまで自分が辿ってきた道のりは間違いではなかったんだと強く実感できました。それと同時に、世界には競争者がいるということも再認識させられ、研究に対するモチベーションが上がりました!!
また、Behaviour2023は動物行動についての学会だからか、口頭発表の際に時間を知らせるベルがとてもユニークでした!
口頭発表はパオオオン!と象の雄叫びでスタートし、発表終了数分前に鳥の鳴き声、発表終了時にアオーン!とオオカミの遠吠え、質疑終了時にオ↑ゥ、オ↑ゥ、オ↑ゥとアシカの鳴き声でした。笑
ちなみに、リアは昨年の夏に苫小牧研究林で行った実験について口頭発表をしました!
この研究はサンプリングを中心に手伝っており内容も知っていましたが、発表を聞いてやっぱりヤツメは面白い!!!と改めて実感しました。
Lea! Thank you for great talk!!
ついに発表!
今回、僕はブラウントラウトの睡眠生態についてポスター発表をしました。英語を聞くのも話すのも苦手なので、かなーーーり不安でした!しかし、そんな気持ちとは裏腹に、ポスターには多くの方が来てくれました(睡眠研究者も!)!
練習したおかげか発表自体はスムーズにできました。質疑応答は何度か聞き返したり、ゆっくり話してもらったりして何とか乗り切りました。
聴衆の反応はかなり良かったです!特に、念願の睡眠研究者と交流することできました。彼らは研究材料のユニークさや方法論などとても興味を持ってくれて、論文が楽しみとも言っていただけました。幸せでした。また、冬(-20℃)の潜水調査は総じて受けがよく、鉄板ネタとなりました。笑
ちなみに、ポスター発表中はビールが無料で振舞われました!あんまり日本との違いはわかりませんでしたが、おいしかったです!
酔っぱらった結果、帰りの電車を間違えて2時間余計に歩かなくてはならなかったことはまた別のお話。。。。。。。
懇親会
発表も大方終わり、ついに懇親会の刻がやってきました。。
学会の懇親会とは、ご飯を食べるだけでなく、研究者(特に睡眠)と仲良くなるチャンスです。
しかし懇親会の最初、英会話に突入していくのは僕にとってハードルが高く、最終的に心を落ち着けるために懇親会会場の外でビール片手にファイアサラマンダーとナメクジをしばらく探していました。。。
しかしその後!!ミミズしか見つからなかったので心を決めて立ち向かいました!千春!えらい!!よくやった!!You made it!!!
そして、睡眠研究者と話す機会を何とかゲットしました!
Euanは現在野外でシカの睡眠を研究しており、睡眠が野外でどのようにふるまわれ、どのように生態学的に説明できるかということに興味を持っているとのことでした。なので、とても気が合いそうですよね!!
実は、彼は僕のポスター発表でとても興味をもってくれたのと、僕も彼の発表を見ていて面白いぞ!と思っていたので、彼とは懇親会で絶対話したいと思っていたんです!!
結果的に、彼とは研究を中心にかなりお話しすることができ、とても仲良くなることができました。
また、野外で爬虫類の睡眠を調べているMohantyさんともお話しできました!
彼の論文はよく読んでいたので、ポスター会場で彼が現れたときはとても緊張しました。。!懇親会では僕は自分からなかなか彼に話しかけることができず、話しかけていただきました。とても優しかったです。研究の話もでき、幸せでした。
彼とはエクスカーション(自然保護区で観察会)でも会いました。そこでは、他の参加者とは離れて一緒にトカゲを探しました笑。僕は途中まで見つけられなかったのですが、Mohantyさんはかなり早い段階から見つけていてやはりさすがの腕前でした!。
懇親会の後半はみんなで踊りました笑
恋のマカレナやWe will rock you などが流れて、知ってる人も知らない人も入り交じり踊り狂いました!
研究の話もでき、友達も増え、純粋に楽しむこともでき、本当に充実した懇親会でした。
エクスカーション
学会の最終日、参加任意のエクスカーションがいくつか開かれました。
僕とリアはNSG Moosheideという自然保護区の観察会に行きました。
そこでは、いろいろな生き物を見ることができました!ここでは簡潔に述べていきます。
初めて見ました!一緒に参加していた蟻の研究者曰く何たらwood antというそうです。足噛まれました笑
次は、これです!
英語ではantlionというみたいです。アリ+ライオン!日本ではアリ+ジゴク!表現の仕方が面白いーー!!
ガイドに聞いてみると、トゲウオとヤツメウナギとあとなんかもう一種がいるそうです。リアの目が輝いていました笑(リアはヤツメの研究をしていたので)
そして待望のsand lizard(スナトカゲ)!!
これがMohantyさんと探していたトカゲです!中々近づけなかったので画質が悪くてすみません。オスはきれいな緑の婚姻色が見れるんですが、雌しか見つけることができませんでした。やっぱり、目立つから鈍くさいと生き残りづらくて、警戒していたり逃げ足の速いオスしかいないのかな?
と、いう感じで非常に有意義なドイツ旅でした。正直、一つの記事に書ききれないほど濃厚で、これでもかなり厳選しました。
次回のBehaviourは2025年にインドで開催されるそうなので、興味のある人はぜひ!!僕もインドに行って洞窟性のタニノボリ?的なやつ観たいですねーーもちろんそれだけでなく、また参加したいです。
そして、最後にLea!Thank you for your support!!! I had a great time thanks to you!!!!!
長文に付き合っていただき誠にありがとうございました。
ふるさわちはるん