古生物学会に参加してきたよ

こんにちは、M1の今野です。

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

私は最近ブレイクダンスに憧れており、毎日筋トレと逆立ちをしています。

筋トレをしながらザリガニを観察し、逆立ちをしながらデータ解析をしています。

もちろんこの記事も逆立ちをしながら書いております。

 

 

冗談です。

 

小泉さんだったら逆立ちで論文書けるでしょうけどね。

私にはまだ無理です。

 

さて、今日は何についての記事を書くかといいますと

ドンッ

日本古生物学会第170回例会

 

これですね。2/5,6,7でオンライン開催されている日本古生物学会第170回例会に参加してきましたのでその感想を共有したいと思います。

明日も古生物学会はあるのですが都合により参加できないため今日ポストします。

 

小泉研は生態学(Ecology)の研究室で現生の生物を研究対象にしているので、古生物学(Paleontorogy)にはあまり触れる機会がなくどんなことをやっているのかよく知らない人が多いと思います。

私は学部のころに隣の研究室が古生物系の研究室でゼミも合同でやっていたし研究室メンバーとも仲良かったしザリガニも一緒に採りに行っていたので、古生物学は完全に無学というわけではありません。古生物学好きです。

 

今回は古生物学をちょっとは知っている私が、古生物学会に参加して感じた古生物学の面白さを紹介できたらいいなと思います。

 

古生物学のここがすごい!面白い!

 

  • 化石(いしころ)から最大限に情報を引き出す

現生の生物を研究の対象にするのであれば、形態は生の状態で100%残っており、DNAも使えます。生態はその目で観察できます。情報量は無限といっていいでしょう。

対称に古生物学者は化石から情報を読み取って分類なり生態の考察なりをします。化石は保存状態によって程度は違いますが時間が経つにつれて情報は劣化していくので、サンプルから得られる情報は現生の生物と比べてメチャクチャ少ないように思えます。しかし古生物学のすごいところはここで、そんな情報量の少ない化石から最大限情報を集める術を持っています。“クリーニング”と呼ばれる化石表面の生物体以外の部分を削るという作業、すごいです。博物館などで見るつるつるピカピカの骨や貝殻の化石はプロが長い時間をかけて“クリーニング”したものが展示されています。クリーニングすることにより生物体の全体の形が正確にわかるようになります。そして“エッジング”と呼ばれる作業、これは生物体と周りの石との物質の違いにより周りの石だけちょっと溶かしてさらに詳細な構造を可視化する作業です。三葉虫の複眼を構成する個眼のひとつひとつのディティールまではっきりさせることができます。さらにはCTスキャンで内部構造が見えたり、生物体を3D化してみたりとその生物の形態情報をどれだけ正確に集めるかという手法だけでもメチャクチャ面白いです。どうすればその生物の形態情報を再現できるか、古生物学者は考える。めちゃくちゃ考える。それがすごいです。

 

  • 化石に残されたわずかな情報から系統や生態、成長様式を復元する

もちろん化石にはすべての情報が完璧な状態で保存されているわけではありません。遠い昔に死に絶えた生物体なので時がたつにつれて起きる情報の劣化は避けられません。時代と保存状態にもよりますがDNAなんてまず復元できません。分類群によっては化石が完全体で見つかることも極々稀です。歯の数本や骨のかけらしか見つからないものがほとんどです。その中で、骨の一部・歯の形状から分類群を同定し、分類群間で年代と形態的な特徴の違い・変化を考えながら系統関係を構築する。非常に面白い。また、現生の形態的に似た特徴をもつ動物と比較することで化石種の生態を考察することもできます。

古生物学は絶滅した生き物の形態・生態をよみがえらせる非常にロマンのある学問です。そして太古からの時系列をおって生物の系統発生と形態・生態の進化を紐づけられる唯一の学問でもあります。いつその系統が発生したのか、いつその形質を獲得したのか・失ったのか、形態情報をもとにしかわからないことがある。それがわかる。すごいです。

 

  • 意外と日本で恐竜(翼竜・首長竜含む)の化石が出ている

日本でも恐竜の研究が意外と盛んにされている。面白い。これはもっといろんな人に知ってほしいですね(僕が知らなかっただけかもしれませんが)。私のイメージとしては、大型古脊椎の研究がしたいのならば中国やアメリカなどの海外の大学に行くものだと思っていましたが、意外と日本でも恐竜の研究ができるようです。十脚類恐竜の歯の化石とかも多種出ていて、日本で発見されている恐竜の多様性はかなり高い。元恐竜マニアとしてはこれが一番興奮しました。

 

以上、拙い文章ですが今回の古生物学会に参加した感想です。

古生物学はロマンがあって、学問的にも非常に価値のある分野だと思うので興味を持ってくれる方が増えたら幸いです。

お付き合いありがとうございました。

古生物学会のHPはこちら

 

今野