冬・リス・フィールド

D1内田です・

先日、長期の調査を終えて札幌に帰還しました。2週間前までは、落ち葉を踏みながらのエゾリスたちを追っていました。それが先週の大雪で一転、気温-8℃、深く積もった雪を踏みしめて森を歩く冬の調査になってしまいました。なぜ、冬調査の装備を持って行かなかった少し後悔しました。

AB4F2781

 

寒くて厳しい冬の調査ですが、雪があることで普段見ることのできないリスたちの新たな側面を発見することができます。そうした発見がフィールドの楽しみなんだなと実感しました。データにはならないけど、冬の森で見つけたエゾリスたちの生き様を少しだけ紹介します。

ゆきりす2

 

 

まず、エゾリスと言ったら秋にせっせと貯食する姿を思い出します。冬には、一生懸命貯食したエサを掘り出している痕が、あちこちに見られました。クルミ、チョウセンゴヨウ、カシワの実など様々。雪の下にある餌をとるために1mも掘ることがあるそうです。

貯食 カシワ

郊外の林ではハンノキの種子を食べていました。リスが去った後にすかさずパシャリ。
ハンノキ

 

また、野外でリスのフンを見つけることができるようになりました。エゾリスの糞は不定形なため、これまでは自分は見つけたことがありませんでした。今年の調査では、捕獲時に糞サンプルも一緒に取っていたので特徴を覚えていて、フィールドでも見つけることができるようになりました。モモンガのように簡単には見つかりませんが><

フン

 

一般にエゾリスの交尾期は、1-3月だと言われています。でも、このオスはすでに睾丸が張っており準備万端でした。このオスがせっかちなやつなのか、それとも実は11月から準備できているのか。。。案外、エゾリスの繁殖については研究が行われていないそうです。

こうがん

 

自分が選定した郊外の生息地には、必ずキツネもしくはハイタカ等の中型猛禽類が生息しています。そのため、都市部の個体に比べてこうした捕食者からの捕食圧は高いと考えています。実際に、捕食された痕を見かけることもあります。

しっぽ*リスの尾でしょう。捕食現場はグロイので割愛

 

 

今年も、リスたちと戯れて刺激を貰った調査でした。今回得ることができた調査結果を、論文や学会発表を始め、アウトリーチ等でどんどんOUT PUTしていきたいです。

ゆきりす1

 

十勝よ、春にまた会おう。

のうち

うち