一瞬の一年:本の紹介

 

D1の福井です。

 

ここ最近の小泉研究室では、来週に迫った修論発表会に向けて、一つ下の学生(修士2年生3人)が、追い込みをかけようと頑張っています。彼らを見ていると、去年あれだけ苦しんだ(僕の)修論から、もう1年が経ってしまったのか‥と時の流れの速さに怖さを覚えます。修士2年生の時は‥「D1(博士1年生)になったら修論はないし、卒業は3年後だし、伸び伸び研究できてマジ”神”だなぁ~」なんてアホナことも考えていましたが、恐ろしいことにその”神”がもう終わってしまうのです! (← いま思うことは‥「全然、”神”じゃない!笑」)

そんな焦りもあるのか、ここ最近は先輩方と博士論文の内容について話したり、博士論文の発表会に出てみたりと、博士論文の研究について考える機会が増えてきたように感じます。思い返してみると、博士研究員(PD)の片平さんが教えてくれた以下に紹介する2冊の本が、きっかけだったかのように思います。

 

たしか‥1, 2ヶ月くらい前に、僕の”将来の計画性の無さ”に見かねた片平さんが、

 

「福井君は、こーゆーの(本)読んでもっとD論の計画立ててった方が良いよ!」

「あ、そーですかねー、じゃ読みますか~!」 (← なぜか、ちょっと上から目線‥)

みたいなダメな感じに読みだしたのが最初でした。でも、読んでみると2冊とも面白くて、すぐに読んでしまえるほどでした。片平さんに紹介していただいて僕が紹介するのもアレですが、少し紹介させていただくと‥

41Yek2mJxAL._SX298_BO1,204,203,200_[1]

この「フィールド生物学」のシリーズは、著者の方々がこれまで体験した波乱万丈なフィールドワークや扱っている生き物たちの魅力について、おもしろ楽しく書かれています。

まずは、この「右利きのヘビ仮説:追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化」について。

この本は、昨年度の生態学会で宮地賞を受賞された 細 将貴さんによって書かれたもので、そもそもの生き物全般の右利きと左利きについての紹介もあって、楽しみながら読めた印象です。他にもフィールドワークの大変さや、右利きのヘビを発見した時のドキドキ感も伝わってきて、学生時代はこんなことを考えていたのか~と勉強になる部分が多かったです。実は、昨年度に 細さんが受賞された際に、受賞者講演や祝賀会にも参加していたこともあって、どんな道のりを経て研究成果を積み上げていったのか、気になっていたこともあって、この本で大分消化できました。

 

次に、「湿地帯中毒」。著者は、中島淳さん。

まだお目にかかったことのない方ですが、この本を読むと「絶対この人、面白い人だ」と思ってしまいます。実は、片平さんがこの本を絶賛していて、「是非、読んでみて!」と押されるがままに買いましたが、読むとほんと面白くて、この手の本で今までで一番笑った印象があります!著者の方は筋金入りの魚好きで共感できる部分もあって(僕はサケ科以外あまり詳しくないですが‥)、生き物への愛が‥これでもか!ってくらい伝わってくる一冊です。

みなさんも、興味があれば是非。

 

福井