D3+の山崎君(通称Zack)の論文がJournal of Ethologyにアクセプトされました!解析に長い時間を費やしたヤツメウナギの研究でしたが、ようやく1本目が出版されます。
Yamazaki C and Koizumi I* (2017) High frequency of mating without egg release in highly promiscuous nonparasitic lamprey Lethenteron kessleri. Journal of Ethology, 35, 237-243
ヤツメウナギの多くは乱婚性で、今回対象としたシベリアヤツメでは1匹のメスが100回以上も複数のオスと交配します。しかし、Zackがじっくりと交配活動を観察した結果。。。何と、その大半は(35-90%)卵を放出していない疑似産卵だったのです!エネルギーコストも高そうで、捕食者にも見つかりやすくなりそうな、この意味のない交配はいったい何のためなんでしょう?!?!本論文では疑似産卵の報告と、疑似産卵が起きる理由がヤツメウナギの特異な形態と交配方法、およびメスの配偶者選択にあるのではないかと、簡単な解析を交えて考察しました。より厳密な解析は2本目で!
今回、早く論文を通したかったこともあって査読が早そうな日本動物行動学会の英文誌に投稿しました。この作戦が大成功で、期待以上に早い査読が戻ってきたことに加え、海外の気鋭の若手研究者が記名で査読コメントをくれました。直接彼と議論することにより論文の完成度がかなり高くなりました。Editorの方々にも大感謝です!(というわけで、皆さんにもJournal of Ethologyへの投稿お勧めします!笑)
追記