少し前になりますが、D3の乃美くんの論文がWilson Journal of Ornithologyにアクセプトされました。苫小牧のカラ類4種(シジュウカラ、ヒガラ、ハシブトガラ、ヤマガラ)の繁殖生態を比較したものです。卒業生の油田君と一緒に北大苫小牧研究林に300個の巣箱をかけて地道に集めてきた6年分のデータをまとめたものです。
Nomi D, Yuta T and Koizumi I (2017) Breeding biology of four sympatric tits in northern Japan. Wilson Journal of Ornithology, 129, 294-300
カラ類は世界でも最も研究が進んでいる鳥類のひとつですが、同所的な生息地で複数種の繁殖生態を比較したものは意外に少ないです。また多くの研究はヨーロッパ、北米に偏っており、アジア地域での基礎情報が求められていました。
今回は特別新しい発見をしたわけではなく、基礎的な生態を記載した研究です。しかし、このような基盤データは他の研究者が比較する上でも、また自分達の今後の研究にも非常に重要になります。この論文を基礎として、カラ類の理解がさらに深まることを期待しています!
ちなみに、本論文と関連するカラ類の繁殖は乃美君の一連のブログにまとめられています。このブログは非常に好評らしく、多くの人に読まれているようです。
研究成果がこのように一般の人にも紹介されるのはいいことですね。出版されたら乃美に詳しい研究紹介してもらうかな~ (^^)