乃美です。
今回は日本では北海道限定の鳥、ハシブトガラの繁殖を紹介します。
まあとはいっても、営巣から巣立ちまでの基本的なプロセスはどのカラ類でも一緒です。
一番違うのは巣材でしょうか。シジュウカラと違い産座に茶色っぽい巣材が多くみられます。
最初はこれが何かわかりませんでしたが、雌親がゼンマイの新芽についている綿毛をつまんで持っていくのを見て正体がわかりました。
他のカラ類、特にヒガラやヤマガラもこの綿毛を頻繁に利用しており、なぜシジュウカラだけ使わないのか今でも疑問です。
この種もかなり多産です。9-10個は普通に卵を産みます。
もうひとつ大きな違いは雄が抱卵給餌をよく行うことです。
ペアの繋がりが強いのでしょうか?
この鳥は何年も同じつがいで同じ場所で営巣する傾向があります。調査年数から考えて5歳を越える個体も多くいます。
最近ペアの繋がりが強いほど生存率が高くなるいう報告もでているので、信憑性はありそうです。
シジュウカラより少し長め(といっても1日)で15日ほど抱卵して孵化します。
6日目。この段階ではまだ種の違いが顕著に出てないですね。
13日目。ようやくそれらしくなってきました。1羽だけ小さい個体がいますね。2ー3日ほど成長が遅れているように見えます。
計測のため捕獲。
17日目。もう巣立ち直前で親も糞を片付けなくなっています。
19日目。1羽を残して巣立っていました。捕獲して足輪を見てみると例の成長の遅かった個体でした。
この個体も次の日にはいなくなっていました。
成長が遅れた個体も最後はある程度間に合わせてくるようです。
次回はどの種でいこうかな?