やっぱり楽しい生態学会!

こんにちは、再び小泉です。

前回のブログ(↓)が長くなったので生態学会の項目だけ別にしました。
卒業、生態学会、新年度:人付き合い濃度のピーク

まず、自分達のシンポジウムは大成功だったと思います。
Across the Borders: Stream Ecology beyond the Legacy of Shigeru Nakano
(境界を越えて:中野繁を超えた河川生態学研究の到達点)

シンポ自体は時間が足らなくて総合討論が出来なかった、などの
反省点はありますが、それ以上に中野さんと一緒に研究をしていた人々、
そして中野さんの研究にインスパイアされた若い人々が集まったのが
何よりも良かったです。

懇親会では中野さんのご家族もわざわざ北海道から駆けつけてくれました。
そして10年以上ぶりという懐かしい面々も。
ほんと同窓会みたいな感じで、中野さんの影響力を改めて確認しました。

中野さんの盟友Kurt Fauschの招待講演も素晴らしかったです。
しかも、退官したKurtの後任(コロラド州立大学)に日本人である管野さんが決まり
(シンポでも講演して頂きました)、運命的な繋がりも感じます。
菅野さんは研究がすごいのはもちろん、気さくで人柄もよく
日本ーアメリカの河川生態学に新しい架け橋ができる予感がしました。

 

あとは東樹君のシンポジウムがめちゃめちゃ面白かった。
特に伊勢さんと福田さんがスゴかった (@_@)

伊勢さんは枠にはまらない自由で柔軟な発想。
「あぁ、この人には固定観念がないんだな・・・」
高卒で働いて20歳半ばで一発奮起してアメリカの大学に行ったという
異色の経緯が関係しているんだな、と思いました。

そして話の巧さが抜群でした。
我々が常日頃何となく思ってることをシンプルで独特な切り口からスパッ!と
説明してくれる。思考の枠組みが普通の人と違うんだろうな〜、と。
伊勢さんが執筆した「学んでみると生態学は面白い」は定評があったのですが
基礎的な内容だから特に読まなくてもいいか、と思っていました(失礼!)。
でも、今回の話を聞いて思考の方法を勉強するのに使えそうだな、と思い
購入しようと思います。授業でも使えそうですしね。

そして慶応大学&ベンチャー企業メタジェン取締役の福田さん。
彼も話が上手いんだけど、こっちはもう狙ってやってる。
最初にすごくレベルの高い研究の話を真面目にしておいて、すごいな〜、と
思わせておいて、後半はネタ満載!
あれだけ聴衆をドッカンドッカン笑わせられる研究者はそうそういないです。
ほんと話の内容もプレゼンテーションも最高で、こんな人いたんだなぁ、という印象です。
さすが大学発ベンチャーを立ち上げてメディアにも引っ張りだこなのもうなずけます。

同世代の研究者の自由でアツい発表。ホント刺激になりました。
その他の講演も興味深く、これだけ面白い人材を発掘して盛り上げる東樹君は
さすがだと思いました。

あとは、将来計画委員会、グリーンインフラ・ECO-DRRと生態学
学会大会の改革を考えるフォーラム、が面白かったです。

フォーラムに大学院生はほとんどいませんでしたが、こういうのに参加すると
生態学会の全体像が見えていいんですけどね。

ほんと生態学会は若手が力を持ってて勢いがある素晴らしい学会だと思います。

 

生態学会期間中は、共同研究者との打ち合わせも6件ほどありました。
全部別々の研究で楽しかったです。
その他、当研究室を希望してくれている学部生やポスドクとのお話。

後は、シンポが終わった日に京大の偉い先生にメールを頂いて
「シンポ面白かったです。Eco-Evoの最近の動向についてお話しませんか」
と誘ってくれたり。
もちろん知っている先生でしたが話したことなかったのでドキドキでしたが
気軽にいろいろと話して頂いて楽しかったです。

あとはMIG-seqの研究集会の打ち上げでもたまたま九大の矢原さんが隣に来てくれました。
何を話そうかと惑いましたが、滅多にない機会なので恥を忍んでいろいろ聞きまくって、
とても勉強になりました(ちゃんと寝てるんですか???とか 笑)。

(学会の恥はかき捨てです!本当です。特に質問など思いっきり恥かいて下さい!)

生態学会では年配の先生方も学生と隔たりなく対等かつ真剣に議論してくれるので嬉しいです。
お二人とも退官近くてもまだまだ新しい研究を考えて精力的に活動しているのが印象に残りま
した。とても楽しそうでした。
若い奴らに負けるとは微塵も考えていないんでしょうね(笑)

ついさっきは、生態学会は若手が素晴らしい、といいましたが、上層部も素晴らしい。
要するにみんなすごいんです!笑

自分の生態学会の参加の仕方も昔とは変わりました。
口頭発表もポスター発表も一通りプログラムに目を通して、面白そうなのにチェックを
つけて全部まわる、ということはしなくなりました。
基本的に発表を聞くのは関心のあるシンポなどに絞って、他の時間は共同研究者などとの
話し合いに使うようになりました。普段は離れてて会えない人が多いので、こういう機会
に集中してディスカッションしないといけませんからね。後は昔は全く関心がなかった総会や各種委員会ですね。
経験(歳?)を重ねると学会運営にも関わるようになります。
特に、自分は自然や生態系の価値を一般の人に知ってもらいたいと考えているので
(これにより生態学関係の仕事も増えることが期待)、この場合は学会規模での
組織的な取り組みが必要になります。
なので少し政治的なことも知っておく必要があります。
政府が最近推しているグリーンインフラなどは生態学が貢献できるところですね。

 

学会はとても楽しいので色んな学会に参加したい気持ちがあります。
でも現実的に行ける時間が取れなくなってきたので、基本は生態学会に絞っています。
若い方は若いうちに色んな学会に参加して、どんどん知識や知り合いを増やして下さい!
(そしていっぱい変な質問して恥かいて下さい!)

それでは〜

 

小泉

P.S. 写真がなくて字ばっかりで疲れるブログですね (^^;)
やはり許可なく人の写真は載せられないので難しいんですよね~