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研究している生物

オショロコマ、アメマス、サクラマス(ヤマメ)、ニジマス(外来種)、カワマス(外来種)、その他サケ科魚類、ウグイ、ヤツメウナギ、トゲウオ、その他魚類、ニホンザリガニ、ウチダザリガニ、フクロウ、シジュウカラ、アライグマ、エゾリス、エゾアカガエル、寄生虫、樹洞昆虫群集

研究キーワード 

メタ個体群、 進化生態学、分子生態学、行動生態学、繁殖生態、保全生態学、集団遺伝学、系統地理学、サケ学、河川生態学、外来種、交雑、局所適応、ジーンフロー、自然選択、適応度、生活史多型、表現型可塑性、回遊、婚外交尾、都市生態、ホスト-パラサイト、絶滅リスク評価、統計モデル、理論モデル、コンピューターシミュレーション



メタ個体群生態学

オショロコマ メインの研究。空知川に生息するオショロコマ(サケ科イワナ属魚類)をモデルに、基礎的な生活史から、分布、個体群動態、遺伝構造、小進化、絶滅リスク評価に至るまでなんでも研究しています。対象を絞り込みいろんな角度から精査することで、対象生物のより深い理解と新しい現象の発見が可能になると考えています。また、この研究から他の生物にも適用可能な研究のフレームワークづくりも目指しています。

DNA解析を用いた保全生態学

“幻の魚”イトウ 集団遺伝学の手法を野外個体群の保全に応用。ダムなどの人工工作物が遺伝的多様性に与える影響、個体群の保護・管理ユニット(ESU、MU)の策定について研究しています。対象生物はオショロコマ、イワナ(アメマス)、イトウ、ニホンザリガニ、ブラウントラウト(イギリス)、トゲウオ(ベルギー)など。解析手法は分類群に捕らわれないため、今後、哺乳類など他の生物にも拡張したいです。

北の生物の系統地理学

ニホンザリガニ DNAには、生物が生きてきた歴史が刻まれています。これをみるとその生物がいつ分化してどのように現在の分布を形成したか、といったことが分かります。さらにこういった生物学的情報は、列島の形成史や氷河期の気候など古環境についても重要な知見を与えてくれます。現在、イトウ、オショロコマ、イワナ、ニホンザリガニを対象にしています。特に、ニホンザリガニが北日本形成の重要な“生き証人”となる可能性が明らかとなってきました。

サケ学 (イワナ学)

渓流の宝石オショロコマ もともとサケ科魚類が釣りたくて北海道に来て、サケ科魚類の研究がしたくて大学院で方向転換しました。このためサケ科魚類のことはなんでも興味があります。基礎的な生活史を地道に調べるのが一番好きですが、回遊生態、雑種形成なども研究しています。どんな魚種も好きですが、やはり長年研究してきたオショロコマに一番愛着があります。同じオショロコマでも個体ごとに模様が全然違ったりするのが面白いです。

保全と教育

清流空知川現場で調査をしていたら、人間活動が野生生物に大きな影響を与えていることを実感します。もちろん、調査自体も少なからず影響を与えていると思います。常日頃から、なんとか生物の役にたつことができないかと考えています。地元の人と連携を図りながら自然環境がよくなる取り組みを少しづつ行っています。一般市民の協力を得るためには生態系の仕組みや貴重さなどを分かりやすく伝える必要があります。特に、地元の人達には当たり前すぎて地元の生態系の貴重さに気付くのが難しいです。こういったことを伝えるのもこれからの研究者の役割だと考えています。





以下は、研究者以外にも分かりやすい、重要な情報、などの理由で日本語で紹介します

絶滅危惧種ニホンザリガニのDNAに北日本の歴史が残されていた (2012.5.1 第一稿)
釣り人は正しかった:洪水時に渓流魚は支流に避難 (2013.6.10 第一稿)
外来アライグマと在来フクロウの意外な競合:両種が好む樹洞タイプが大きく重複 (2013.12.10 第一稿)
冬場に魚達はどうしているのか?ダイナミックな越冬移動と越冬集合 (2016.12.26 第一稿)