相原いづみさんの論文がPlant Physiology誌に発表されました

シロイヌナズナのホウ酸輸送体BOR1がホウ酸依存的な翻訳抑制を受けることを見出し、翻訳抑制の分子機構の解明とその植物の応答の適応的な意義を実証した論文です。

ホウ酸輸送体BOR1のホウ酸に依存した翻訳制御には5’非翻訳領域に存在する複数のuORFが必要であることを発見しました。さらに、これまでに明らかにされていたホウ酸依存的なタンパク質分解と比較すると、より高濃度のホウ酸で翻訳抑制が引き起こされることが分かりました。また、これら異なる濃度範囲で引き起こされる2つの転写後制御が植物が高濃度のホウ酸環境下に置かれたときに、ホウ素を過剰に取り込みすぎないようにするための重要な応答であることを実証しました。

Izumi Aibara, Tatsuya Hirai, Koji Kasai, Junpei Takano, Hitoshi Onouchi, Satoshi Naito, Toru Fujiwara, Kyoko Miwa (2018) Boron-dependent translational suppression of the borate exporter BOR1 contributes to the avoidance of boron toxicity. Plant Physiology 177: 759-774.

http://www.plantphysiol.org/content/177/2/759

 

日本語での詳しい解説は北大のホームページのプレスリリース記事を参照ください。

https://www.hokudai.ac.jp/news/180529_pr.pdf

 

また、Plant Physiology誌にCommentary(紹介文)が掲載されました。

http://www.plantphysiol.org/content/177/2/439