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研究紹介 『冬場に魚達はどうしているのか?ダイナミックな越冬移動と越冬集合』
関連記事 『洪水時に魚達はどうしているのか?』はこちら
Extreme winter aggregation of invasive rainbow trout in small tributaries: implications for effective control (外来ニジマスの支流での極端な越冬集合:個体群管理への有用性を示唆). Koizumi I, Kanazawa Y, Yamazaki C, Tanaka Y and Takaya K (2016)
Ichthyological Research, online first
Mass immigration of juvenile fishes into a small, once-dried tributary demonstrates the importance of remnant tributaries as wintering habitats(夏枯れした小支流に大量の魚が遡上:越冬場所としての小支流の重要性). Koizumi I, Tanaka Y, and Kanazawa Y (2016)
Ichthyological Research, online first
寒い冬場に魚達はどうしているのでしょう?
冬の川を歩いた人なら分かると思いますが、冬の川はとても静かです。夏場は川岸からも見えた魚影がほとんど見られなくなります。いったい魚達はどこへ行ってしまうのでしょう?
夜行性になるサケ科魚類
5年ほど前、魚に詳しい学生に案内してもらって真冬の夜に川を歩いたことがあります。マイナス10℃は下回っていてなかなか寒かったですが大変面白い光景が見られました。なんと、いたるところに魚が出てきているのです。同じ場所を昼間歩いても何も見えなかったのですが夜中には何十匹という魚が浅瀬に出てきていました。しかも動きが遅く、手網で簡単に掬うことができました。
昼間は石を動かすとその下で2-3匹の魚がじっとしていたのですが、夜中は同じ石の下にはいませんでした。10年以上魚の研究をしていましたが、真冬の夜に調査したことはなかったので衝撃的でした。
大学に戻って文献を調べてみると、ブラウントラウト(サケ科魚類)が冬に夜行性にシフトするという論文が1993年に出ていました(Heggenes et al. 1993)。彼らはノルウェーの寒い川に毎月潜って調査をしていたそうです。当時のドライスーツの性能はどうだったんだろう?恐るべし北欧の男たち!!!ですね。
その後、スコットランドの研究グループが主にアトランティックサーモンを用いて活動時間の季節変化を精力的に調べました(Fraser et al. 1993, 1995; Fraser & Metcalfe 1997; Valdimarsson et al. 1997; Metcalfe et al. 1998, 1999; Valdimarsson and Metcalfe 1999; Metcalfe and Steele 2001; Griffiths et al. 2003)。野外調査や様々な室内実験を駆使しています。そして彼らは、サケ科魚類が冬場に夜行性になる理由について以下のように説明しました。
1. 冬場は水温が低く、動きが鈍くなる。一方で、代謝が落ちるので必要な餌量は少なくてもよい。
2. 鳥などの恒温性の捕食者は冬でもスピードが落ちない。アイサやサギのような捕食者は昼行性であり夜中は活動しない。
3. したがって、成長も期待できない冬場は捕食リスクの高い昼間には活動せず、夜間に少しだけ餌を食べて冬を耐え忍ぶ。一方、成長が必要な春-夏は明るい時間帯に活動する(*)。
*捕食者が来ても代謝が高いので早いスピードで逃げられる。
実際は捕食リスクを減らすために薄明薄暮に活動することが多い。
この仮説もまだ確証のレベルには至っていないと思いますが(捕食者を操作する実験が非常に難しい)、概ね正しいのかな、とは思います。北米のサケ科魚類でもこれらをサポートする研究が幾つか出ています(Bradford and Higgins 2001; Muhlfeld et al. 2003)。
また、この研究グループは、サケ科魚類の目は基本的に明るい環境に適応しており、暗い環境では捕食効率が落ちること(Fraser and Metcalfe 1997)、翌年に海に降る個体は(危険性の高い)冬の昼間に活動すること(Metcalfe et al. 1998)なども報告しています。
特に、光強度を変えて捕食効率を調べている実験では、真っ暗な環境では全く餌が取れていないことに驚きました。サケ科魚類は嗅覚も発達しているので少しは採餌できると思っていたのでのですが。ただ、この実験では餌として飼育用のペリットを使っていました。生きて動いている餌だったらまた違う結果になったと思います。実際、魚達は透明度がほとんどない濁った水の中でも餌を捕まえているわけですし(猿払川のイトウ釣りにいったら感じます。こんな黒い水の中でよく餌が食べられるな、と)。
というわけで、冬のサケ科魚類は日中は石の下などでじっとしており、夜中に浅瀬に出てきて少しの餌を食べているようです。ちなみに、魚類は飢餓耐性が非常に強く、水温が低く代謝活性の落ちる冬場であれば、2-3ヵ月間餌がなくても生きていけます。数か月の断食なんて我々人間からしたら驚きですね!
あっ、私の専門ということもありサケ科魚類の話ばっかりになってしまいましたが、他の魚類でも概ね似たような感じだと思います。冬場の研究、特に野外調査は限られており、サケ科以外はあまり分かっていません。
越冬集合・越冬移動する魚達
野外でのサケ科の越冬生態を調べたノルウェーのHeggenes et al. (1993)は他にも興味深い現象を報告しています。先ほどの「日中は礫の下、夜間に活動」は25p以下(平均10p)の小型魚に限られていました。確かに、40cmとかの大型魚では隠れる石がないですね。では大型魚はどうしていたのでしょうか。彼らの観察では25-60cmの大型のブラウントラウトは大きくて流れが緩い淵に集合していたそうです(平均35p程度の個体が4-25匹集合)。浅い淵だと凍り付いてしまう可能性があるし、流れが速いと無駄なエネルギーを消費してしまうので、そのような淵に集まるのでしょうね。あと、普段はなわばり争いの激しいサケ科魚類も冬には競争のコストが大きいため、集合的になると考えられています。
ただし、サケ科魚類の越冬集合はこの論文以前にも報告されていました(Cunjak and Power 1986)。今では、いろんな魚類で越冬集合することが報告されています(Johnsen and Hasler 1977; Brown and Mackay 1995, Jakober et al. 2000; Borcherding et al. 2002; Japsen and Berg 2002; Parsley et al. 2007; Skov et al. 2008)。近くに適切な越冬場所がない場合には比較的長距離を移動することもあります(Jakober et al. 1998)。中には、大学院生の頃に読んだ論文で、ニジマスなどの複数の魚類が一つの淵に100匹以上集まっているという記載を見て驚いたことがあります(どの論文か今探しても見つかりませんでしたが。。。越冬集合がメインの論文ではなく結果か考察にさらっと書いてあったので)。その後、オショロコマの調査をしていて普段はそれほど多くない淵に初冬に100匹以上が集まっていて、「これか!!!」と興奮した記憶があります。ただ、12月に入るとみんな消え去ってしまいましたが。。。(^^;)
魚類の越冬まとめ
魚類の越冬生態は未だ謎に包まれているため多くの研究者が関心を持っています。なので、これまでの(比較的少数の)知見をまとめた総説論文が幾つか出ています(Cunjak 1996; Huusko et al.2007; Brown et al. 2011; Shuter et al. 2012)。これらの研究によると、越冬に影響する物理環境は、礫サイズ、カバー、流速、水温が重要とされています。礫サイズは魚が隠れるための大きさが必要。捕食を避けるためのカバーもプラス。流速は遅い方が無駄なエネルギーを必要としない。また、大礫やカバーがある場所は流速も遅くなるので一石二鳥。水温の影響はそれほど単純ではなく、比較的温暖な湧水に集まるといった報告や、冷たい場所に集まるという報告があります。冷たい方が代謝を押さえられるので餌量が少なくて済みますが、冷たすぎると生息地が凍り付いてしまう危険性があります。餌がある程度保障されているのであれば湧水環境が良いのかもしれません。
これらの論文の重要な指摘は、同じ魚種でも河川によって越冬生態は大きく異なるということです。川の流れ、障害物、水温、餌量などは川ごとで全然違います。当然いつの時期にどこへ行くべきかも変わってきます。それぞれの種で、それぞれの河川で最適な戦略が存在するわけです。
外来ニジマスでの研究
その環境で長い間くらしてきた在来生物は、局所的な環境を上手く利用して越冬戦略を身につけたと考えられます。では、比較的最近持ち込まれた外来種はどうでしょうか。外来種が新しい環境で急速に進化しつつあるという話は世間の注目も集め、研究例も増えています(Sax et al. 2007; Whitney & Gabler 2008)。ただ、外来魚類で冬の生態を調べた研究は非常に限られています。
数少ない例としては、Morita et al. (2012)が行った北海道での研究があります(
森田さんのHPから分かりやすいスライドが見られます)。彼らが釧路川の2本の支流で、サケ科魚類の毎月の個体数変化を調べたところ、外来ニジマスが11月―4月の冬期だけ支流に入っていることが明らかとなりました。水温の低い支流にはほとんど移入してきませんでしたが、水温の高い支流にはそれなりの個体数が入っていました。冬の野外調査は大変ですが、彼らの研究も厚い氷を割って個体数を調べたパワーワークです。
私達も外来ニジマスの個体群特性を調べました。これは国土交通省の河川砂防技術研究開発公募「河川景観ネットワークの連結性と時空間変化-湧水と氾濫原の変化が生物群種に与える影響に注目して-」の一環として行いました。当時大学院生として当研究室に来てくれてた金澤友紀代さんが主導となって「安定した湧水環境ではニジマスの侵入・定着性が高い」という仮説のもとに北海道十勝川流域で研究を行いました。
ニジマスが広く分布する十勝川流域の10本の支流において,夏期,冬期,春期に電気ショッカーを用いて個体数の変化を調べました。各支流で平均389m(範囲:190〜877m)の調査区間を設けました。捕獲したニジマスは体サイズ,性別を記録しました。一部の個体は持ち帰り,年齢査定や性成熟の判定を行いました。また,調査区間内では,水温,水深,流速,底質,といった環境要因も評価し,個体数に関係する要因を検討しました。
夏期は全ての支流において,流呈100mあたり平均6.1個体(範囲:0〜13.7)と個体数は少なめでした。平均体サイズも100〜200mm程度で,未成熟魚が大半を占めていました(図1)。しかし冬期には,4本の支流において,流呈100mあたり20〜188個体と高い密度になりました。実に8-125倍の個体数になりました。これらの支流では一つの淵で100個体以上捕獲されるケースもありました(図2)。まさに(今は紛失してしまった)大学院生の頃に読んだ論文そのままです!
さらに,捕獲された個体は250〜300mmの比較的大きな魚が大半を占め,成熟メスも多くみられました。本流では夏期に大型の個体が確認されており,これらは越冬のために本流から遡上してきた個体と考えられます。越冬移動が認められた支流でも翌春には個体数が大きく減少していました。一方,個体数の増加が認められなかった6本の支流では,体サイズの変化もみられませんでした。統計解析の結果から,越冬集合が確認された支流は水温が低く,流速が遅い傾向がありました。このような小支流は、代謝が抑えられるため、ニジマスの越冬場所に適しているものと考えられます。また、統計的な差は認められませんでしたが、湧水支流の方がニジマスが集まっているようでした。湧水河川の方がゆっくり流れており、越冬に適した環境が多いと考えられます。
ただ、調査した河川にニジマスが放されたのは1950年代との記録があり、50-60年程度しか経っていません。また、現在でも放流が行われています。この短い期間に、本流と支流、湧水と非湧水を認識して、移入ニジマスは本河川に上手く適応したのでしょうか。これを明らかにするには洗練されたDNA解析など、かなり大変な作業になりますが、個人的にはあまり適応的ではないんじゃないかな〜、と考えています。ある淵では、人が近づくと波紋が立つくらい極端な高密度になっていました。まるで養魚場のようでした。またそれらの淵のそばには、キツネやミンクの足跡がたくさんついており、捕獲したニジマスも傷があるものが多くみられました。流速が遅く深い淵を求めてこのような支流に集まってきたのはいいが、ここで捕食者の餌食になっているという可能性も考えられます。
夏枯れした川からフクドジョウとウグイの越冬移動が明らかに
この調査を行っている中で面白い現象が起きました。ニジマスの越冬移動があった支流の1本が夏場に枯れてしまったのです。水が戻ってきた9月に電気ショッカーをかけたところ、やはり魚はほとんどみられず小さいニジマスが数匹捕れただけでした。
しかし、12月頭に再度調査したら大量のフクドジョウ、ウグイ、ニジマスが捕れました。これは興味深いと思い、定量的に調査して個体数を推定すると何と10,000匹!川幅4m、流呈1kmほどの小さな支流にこんなに大量の魚がわずか3ヶ月で集まってきたのです。
ウグイとニジマスは幼魚が多く、越冬場所としてこの小さい支流を使っていたと考えられます。一方、フクドジョウは親魚サイズも見られました。ウグイとニジマスは遊泳力があるので本流から移動してきても不思議はありませんが、底性魚で移動性が低いと思われたフクドジョウがこんなに移動してきたのは驚きました。
冬場の生態はあまり研究されていないと書きましたが、今回、たまたま支流が夏枯れしていたために、ウグイとフクドジョウの越冬移動を明らかにすることができました。
また、本調査河川は人の手が加わったごく小さい水路状の河川でした。このような一見生息に不適と思われる場所でさえ多くの魚類が依存していることが明らかとなりました。本結果は、河川改修の進んだ河川においても小さな人工水路が魚類の越冬生存を高める可能性を示しており、河川管理においても重要な視点を提供するものです。
外来サケ科魚類の適切な管理に向けて
サケ科魚類は,水産有用魚種や釣魚として人気があり,古くから世界各地で放流が行われてきました。このため,しばしば侵略的な外来種となり,在来生態系に大きな影響を及ぼしています(Townsend 1996; Kitano 2004; Crawford & Muir 2007; Korsu et al. 2010)。ニジマスとブラウントラウトは共に『世界の侵略的外来種ワースト100』および『日本の侵略的外来種ワースト100』に選定されています(Lowe et al. 2008)。一方、ニジマスは100年ほど前から日本に移入されており、在来魚と思っている人も多く、市民権を獲得しています。かなり大型になるので釣って楽しい、食べて美味しい、と特に北海道では絶大な人気を誇っています(現在は食べる人は少なくキャッチアンドリリースが基本ですが)。実際、私も学部時代は釣愛好会に所属しており、ニジマスやブラウントラウトもよく釣りに行きました。なかでも尻別川水系で釣りをしてて、水面からジャンプした56cmのニジマスは最も思い出深い一匹でした。このような正負両方の側面をもった外来種の管理は国内外を通して悩みの種となっています(例えば、Garcia de Leaniz et al. 2010; 下田 2012)。
私も昔はニジマスやブラウントラウトが好きでしたが、生態学を専門に学ぶようになって、やはり在来種を守りたいな、と思うようになりました。在来種を保全する意味はいろんなところにまとめられていますし、簡単ではないのでここでは詳しく述べませんが。もちろん、今でもニジマスやブラウンも好きですし、姿がみれると単純に嬉しいですが、やはり基本的には北海道にいなくてもいいかな、と。特に、絶滅危惧種になっているイトウやオショロコマの棲む河川にはいるべきでないと思っています。今回の調査した河川でもオショロコマが生息している場所が幾つかありましたが、完全にニジマスに優先されていました。ニジマス数百匹の中でオショロコマが1匹だけ捕れたこともあって、よく生き延びていたな、と。。。
というわけで、時と場合によっては外来種を取り除く必要性も出てきます。アメリカでは膨大なお金をかけて外来種の根絶を行っている河川も多くあります。驚くことに、外来種を排除しても他の場所から再移入して来たら元も子もないので、保全する場所にあえてダムを造ったりもします(Shepard et al. 2014 ← どれくらいのお金や労働力をかけて駆除したかも書いてあり面白い)。普通ダムはマイナスの影響が大きいですが、在来個体群を守るためにあえてダムで隔離するという方法も行われています(Rahel 2013 ← Intentioanl fragmentation as a management strategyという総説でいろんな事例を紹介)。徹底していますね。
今回の研究は、外来個体群の適切な個体群管理に役立つかもしれません。大きな河川ではなかなか効率的に魚を捕獲できません。しかし今回のような小支流への大規模な越冬移動を利用すれば短時間で多数の個体を捕獲できます。サケ科魚類以外でも、越冬移動および越冬集合する魚種は多いので(Johnsen and Hasler 1977; Carlson
1992; Borcherding et al.
2002; Jepsen and Berg 2002; Skov et al. 2008; Bajer et al. 2011)、意外に多くの外来種に応用できるかも知れません。
追記:越冬集合を利用した外来コイの駆除
この文章をまとめている間にすごい論文を見つけてしまいました。既に越冬集合を利用した外来魚の管理が行われていたのです。。。論文を書いている時になぜ見つけられなかったのか。。。悔しいです。学術論文といっても先行研究を完全にはフォローできていないこともある。悪い例をお見せしてしまいました。。。サケ科じゃなくてコイの論文、支流-本流じゃなくて湖内移動だったのがせめてもの救いでしたが。。。
まず、40年も前にウィスコンシンのメンドータ湖で行われた研究を紹介します(Johnsen and Hasler 1977)。こんなに昔なのに電波発信機を使って外来コイの湖内の越冬移動を調べています。2年間にわたり16個体のコイに発信器をつけたところ、氷が張る前の晩秋に湖内の2か所に同調的に移動していったそうです。そこには、他の個体も集まっていたようで、地元の漁師に場所を教えると・・・なんと46トンものコイが捕獲できたそうです。。。(^^;) 電波発信機をつけて追跡することで、漁業にも個体群管理にも有用になる、と結論づけています。
近年の研究はアイデアは同じでも、内容がさらに洗練されています(Bajer et al. 2011)。ミネソタ州の3つの湖で(36-120ha)標識-再捕獲法により個体数を推定します。次に、発信器をつけた”おとりコイ”を泳がせて、越冬移動がどこで行われているか調べます。そして、一気に捕獲して湖内の何パーセントの魚をこの方法によって駆除できるか調べたのです。筆者らは、このおとりを使った手法を"Judas technique"と名付けています。そうです、裏切りの星、ユダです!おとりコイを仲間の場所を教える裏切り者に例えてるんですね。論文を書くときに良く思うのですが、効果的な言葉を作るのはすごく重要なんですよね〜。
さて、合計4回のトライアルを行ったところ、ユダ法(?)により個体群の52-94%が捕獲できたそうです。東京ドーム8-26個分の広さの湖に生息する個体群の半分から9割を捕獲するなんてものすごいことですね。。。
ちなみに、この越冬集団は湖内を回遊しているようで、温度や溶存酸素量などとは明瞭な関係が認められなかったそうです。つまり、いつも同じ場所にいるわけではないので、決まった場所で捕獲してもダメで、発信器をつけたユダの存在がカギになるということです。
先に、越冬移動や越冬集合は多くの魚でみられる現象なので、外来種管理にも広く利用できるかもしれない、と書きました。例えば、日本では湖やため池のブラックバスやブルーギルなどに使える可能性があります。実際、原産地でブラックバスが越冬集合することが知られています(Carlson 1992)。繰り返し言いますが、外来種は何でもかんでも駆除、というのは現実的ではないと思います。ただ、在来生態系に与える影響が大きい種・地域では適切な個体群管理が必要になってきます。今後、越冬生態を利用した手法が発展するかもしれません。
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