北海道大学 大学院 環境科学院 生物圏科学専攻

フィールドサイエンスの拠点


教員情報

氏名:
傳法隆 (Denboh Takashi)
所属:
北方生物圏フィールド科学センター
分野:
-
担当コース:
水圏生物学
職名:
助教
個人ページ:
https://www.fsc.hokudai.ac.jp/researcher/%e5%82%b3%e6%b3%95%e3%80%80%e9%9a%86/
研究概要:
 車軸藻綱ホシミドロ目ミカヅキモ科は, 88種を超える形態種(各々1乃至数変種)からなるミカヅキモ (Closterium) 属と1形態種Spinoclosterium cuspidatumのみからなるトゲミカヅキモ属の2属から構成されている。これらの形態種はすべて単細胞で,多くの種は三日月状の形態をしているが,一部の種ではC. naviculaやC. aciculareのように紡錘形や針状形の形態をとるものも知られている。これらのミカヅキモ科の種はチリモ科の種とは異なり,細胞壁上にトゲやイボ,切れ込みなどの特徴的な分類形質をほとんど持たないために,昔から行われてきた固定試料に基づく形態分類では形態が類似したものを明確に分類することができず,現在遺伝子情報を利用した種の再整理が必要な状況にある。しかしながら,その分類に必要な様々な形態種のクローン株は今までほとんど作成されておらず,ごく一部の研究機関でわずかに継代培養されている現況にある。また,ミカヅキモ科の種は,ホモタリズム,ヘテロタリズム及び単為生殖という3つの異なる交配様式をもつが,一つの近縁な種複合体内でも生殖様式の相違とともに,細胞の大きさや形などの形態面でも分化が起こっていることが知られている。しかしながら,このような交配様式が異なる個体群を同種とするか異種(変種)とするかも,それらの遺伝子情報を網羅的に調べていないために,現在研究者間で見解が一致していない。 本研究では,日本各地,できれば世界各地の様々なフィールドから採集したミカヅキモのクローン培養株確立し,形態分類後,交配様式並びに遺伝子情報を調べ,種を再整理することを目的としている。これにより,結果として種の系統を保存することにも役立つ。また,遺伝子情報から作成した分子系統樹や核rRNAの二次構造に見られる分子形態の比較から,交配様式の変化を含め,形態的に類似したミカヅキモの種の進化がどのように起こってきたかを明らかにする。本研究により,古生代に出現し古くから種分化してきたミカヅキモの形態種や現在もなお種分化を続けている生物学的種(交配群)について,進化の道筋や交配様式の推移を検証し,接合藻類の系統進化と種分化における交配様式の進化の役割を解明したい。
キーワード:
進化生物学, プランクトン, 藻類, 微生物, フィールドワーク, ラボワーク, 河川・湖沼, 湿地

北海道大学 大学院 環境科学院 / 地球環境科学研究院

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