研究室の1年

個人個人が自分の研究テーマを持っているため年間スケジュールは様々です。特にフィールドワークが中心だと忙しい時期は対象生物に大きく左右されます。例えば、シジュウカラグループは繁殖期である5-8月は苫小牧研究林に籠もりっきりになり、サケ科魚類を研究している人は繁殖期の秋が一番忙しくなります。年間を通してみると50-100日くらいフィールドに行く人が多いです。冬はフィールドワークが少なく、代わりに、勉強(論文読み)、データ解析、DNA実験、論文執筆をしています。

一日のスケジュールも個人に任せています。ただ昔の学生よりも(?)規則正しく、午前中に来る学生が大半です。平日休みや長期休暇も問題ありませんが、実際は真面目な学生が多くみんな研究に専念しています。モチベーションが高い学生が多いのは嬉しいことですね。ただ昔と比べると(私の学生時代と?)夜中にお酒を飲んでいる人が少ないですね、良くも悪くも?

セミナーは毎週月曜の午前中。1.5−2時間くらいが標準的。研究計画発表、論文紹介、中間報告、など。半分くらいは野田研究室との合同セミナー。野田研メンバーはバックグラウンドが違うため新鮮な意見が多く、とても有意義です。この他にも、週1で輪読会、論文書きを行っています。ただしフィールドシーズンには不定期になります。セミナー、輪読会ではディスカッションを重視しています。必ず何かは発言するように。

また、当研究室は海外からの訪問者・研究室希望者も多いです。これから益々国際化が進むと思います。セミナーは、現時点では英語スライド(修士学生は可能な限り)日本語発表が多いですが、近い将来発表も英語になるかもしれません。大学院生はなかなか大変かもしれませんが、生きた英語を学べる貴重な機会でもあります。

年間スケジュール

4月:入学式、新歓、大学院講義、研究室ガイダンス

新入生はドキドキ、ワクワクの時期ですね。新しい環境に慣れてきたな、と思ったら4月は終っています。

5月:ヤツメウナギ繁殖時期、シジュウカラ繁殖時期

そろそろフィールドが始まります。新入生は先輩方のいろんなフィールドにお供しましょう!

論文を読めと言われますが、初めは時間もかかるし何を言っているか全く理解できないと思います。でもどれくらい論文を読んだかで卒業論文のレベルが大きく変わってきます。修行だと思って頑張りましょう。

6月:シジュウカラ繁殖時期、ウグイ繁殖時期、オショロコマ定期調査(下旬)

6月下旬のオショロコマ定期センサスは研究室の大きな行事です。特に新入生はフィールドワークを学ぶ重要な機会です。約10日間の日程で朝4:00-4:30起床、18-19時までフィールド調査というのが基本スケジュールです。

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7月:シジュウカラまだ繁殖、ウグイ繁殖

少し研究生活に慣れてきます。一方、気が緩む時期とも言えます。他の人の調査を手伝って気分転換しましょう。

8月:シジュウカラ繁殖終盤、ウグイも終盤、大学院入試(下旬)

みんなの調査地巡航を予定しています。一昨年は帯広で花火大会も見れて楽しかったなー。

9月:サクラマス繁殖時期、アメマス繁殖初め、エゾリス貯食開始

サクラマスは生態が面白いし、本当にカッコ良く、キレイで魅力的な魚です。サクラ調査は特に楽しいですねー。紅葉も綺麗に色づいてきます。23

10月:アメマス繁殖時期、オショロコマ繁殖時期、エゾリス貯食時期

北海道では初雪や初氷がこの時期です。まだ身体が寒さに慣れていないので凍えながらのフィールドワークになったりします。でもこの感覚は、なぜか身体に刻み込まれます。札幌にいても冷え込んだ日には、ふとフィールドを思い出してしまいます。

11月:エゾリス貯食終盤

フィールドも終わりに近づきました。そろそろ頭を切り替えないと。

12月:忘年会

フィールドが終わって一段落。と思いきや、データ解析、勉強、DNA実験などで一気に忙しくなります。フィールド頑張った〜!って一年が終われるといいですね。24

1月

特別なイベントはありませんが「もう一年が終わる〜」と焦り出してしまいます。

2月:修士論文発表会(2月中旬)、日本生態学会北海道支部地区会、エゾリス繁殖時期

修士論文発表会は1年で最も大きなイベントのひとつです。直前は先輩後輩巻き込んで大忙し。でもみんな一番ディスカッションして成長する時期かもしれません。

3月:日本生態学会全国大会(3月中旬)、追いコン

1年間の成果を生態学会にぶつけましょう!? 同年代でも優秀な人が多く、いろんな分野の研究者が発表する生態学会は大きな刺激、モチベーションになります。卒業は少し寂しいですが今後の活躍を期待しています!