地球上の環境は地球誕生以来変化を続け今日に至っているが、近年の人間活動による変化は特に激しいとされている。こうした変化の下でいかに生物種の多様性を維持するかは、人類にとって重要な課題であり、さまざまな側面からの取り組みが始まっている。当コースの目的一つは、多様性維持について遺伝学的側面から研究することにある。個体群の遺伝的多様性はその個体群の変動、さらには群集の安定性にも影響を及ぼし、生物種の多様性維持に大きな役割を 果たしていると考えられる。しかしながら、現在、自然個体群の遺伝的多様性、そしてその役割についての情報はまだまだ不足している。当コースでは、以下の5つの研究を主題にさまざまな分野の教育・研究を展開している。
木村グループ:昆虫を対象として、その進化、種分化、環境適応について、生態学的、生理学的、遺伝学的研究を行う。現在、特に寄生蜂と寄主の共進化・軍拡競争に注目している。
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大原グループ:野生植物を対象として生活史の適応・進化(受粉・交配様式の分化、個体群の時間的・空間的動態、個体群の遺伝的分化など)を明らかにし、保全生態学研究に寄与する。
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鈴木グループ:日本列島は多くの野生哺乳類種を有するが、その起源は依然謎のままである。遺伝子変異の解析を通して、第四紀の地球環境の変動に伴い再編成を繰り返した日本産哺乳類相の歴史に迫る。
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三浦グループ:生物は環境に応答して生理条件を変化させ、発生プロセスを改変することにより表現型を可塑的に変化させることができる。社会性昆虫など表現型がダイナミックに変化する昆虫を材料に、環境による表現型発現の分子機構とその 進化プロセスを解明することを目的として、分子発生学的・進化生態学的研究 を行う。
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吉田グループ:生物のゲノムのなかには、その生物に必須の遺伝情報以外にも、転移因子とよばれる、DNA配列も多量に含まれている。ゲノム進化における転移因子の役割を明らかにすることを目的に転移因子とゲノムの相互作用を分子レベルで調べる。
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以上のように、当コースでは野外生態調査(フィールドワーク)ならびに室内における生物飼育・操作実験などと遺伝的解析実験を相互にフィードバックさせることにより、地球環境科学教育の基礎となる生物の進化、種の多様性維持機構、個体群変動の機構、絶滅危惧生物の保全、環境変動に対する生物の対応など幅広い教育を行っている。